流域水管理 水環境

我々の生活に欠かせない上下水道施設の調査、計画、設計、維持管理において、総合的な技術サービスを実施しています。地盤の動的解析を含む耐震診断および補強設計などの耐震対策、近接構造物への影響を踏まえた施設の改築・更新、閉鎖性水域の汚濁負荷解析を踏まえた流域別下水道整備総合計画、シミュレーション技術を用いた浸水対策、独自に開発した装置を用いた合流改善対策、上下水道施設を活用した小規模水力発電などのエネルギー対策、持続可能な事業経営に向けた総合計画や長期ビジョン、DBO事業や包括的民間委託の導入における事業マネジメント支援など、常に新しい技術、高度な技術を取り入れ、多種多様な課題の解決に取り組んでいます。

さらに、上下水道の事業者が抱える課題は施設の長寿命化、エネルギー有効利用など環境問題、技術やノウハウ継承などの人財育成上の問題、財務問題など多岐にわたります。当社では、そのニーズに応じたきめ細かいサービスを新技術の活用を含めて提供しています。

主な技術サービス

管路施設
老朽化した管路施設は、道路陥没事故等の原因となるため、適切な時期に適切な方法で改築・更新を進めていく必要があります。当社は、管路施設の改築・更新事業の調査、計画、設計を支援いたします。
大口径の管路施設については、管路内の現況調査を実施した上で、ひび割れ等が発生した老朽管の状態を再現して精度の高い構造解析を実施し、合理的に内面を補強するための設計を行います。
近年増加する豪雨災害等の抑制に寄与する大口径シールドトンネルによる貯留管設計、DB方式による長距離上水道導水トンネルなどの実績も有しています。
また、小口径の管路施設については、テレビカメラ調査による画像データを帳票化(展開図化)し、データベースを構築する「管渠内面現況把握システム」を開発しており、調査結果の有効活用を支援します。
浄水施設・水処理施設・ポンプ施設
上下水道施設のうち、浄水場や処理場は、最重要施設であるため、被災時に機能停止が許されない施設です。また、耐震補強に伴う改築や、増設工事等においても同様で、施設を供用しながら改築・更新が出来るということが設計上求められており、大規模修繕事業にもDX技術を活用し、取り組んでいます。
当社は、豊富な実績をもとに、これらの制約条件をクリアすべく、実現可能な施設更新計画を提案し、更新設計や、耐震補強設計を行っています。とくに、河川施設や空港・港湾施設などに隣接した地域での設計では、総合コンサルタントとしての優位性を生かした提案が可能です。
DB/DBO方式の発注形態にも柔軟に対応した提案、設計が可能です。海外事業においては、本邦技術の活用を軸に現地状況に応じた豊富な実績を基に、提案、設計が可能です。

上下水道施設の劣化による機能停止や、埋設管の破損による道路陥没などは、社会活動に重大な影響を及ぼします。そのようなリスクを未然に防ぐために、長期的な視点で必要な財源を確保し、老朽化した施設を計画的かつ経済的に点検・調査、修繕、改築更新していくことが求められています。

当社は、上下水道施設の計画・設計のノウハウを生かしたストックマネジメント計画策定支援、経営改善を目的としたアセットマネジメント導入支援をはじめ、効率的な維持管理に向けた計画やルールづくりなど、事業のPDCAサイクル全般の改善に向けた各種サービスを提供します。

水洗化等による居住環境の改善に加えて、河川、湖沼、海域等の公共用水域の水質汚濁を防止することは下水道に求められる重要な役割のひとつです。流域別下水道整備総合計画は、公共用水域の水質汚濁防止を図っていくうえで、当該流域全域にわたっての最も合理的な下水道整備に関する総合的な基本計画であり、個別の下水道計画及び流域下水道計画の上位計画として策定されます。

当社は、GIS(地理情報システム)を用いた分析などにより流域の特性を精度よく把握し、水質の改善が遅れている閉鎖性水域においては3次元密度流水理モデルに低次生態系モデルや底質モデルを組み込むなど、水域の特性に応じた解析モデルによる汚濁解析を行うことで、水質環境基準を達成するために必要となる最適な下水道整備計画を提案します。

近年、気候変動の影響で局地的な大雨が頻発しており、都市に降った雨が河川等に排水できず、内水氾濫による浸水被害が全国で多発しています。このような被害を軽減するため、下水道施設の整備によるハード対策、住民の命や財産を守るためのソフト対策の両面で、対応が求められています。

当社では、流出解析モデルを用いたシミュレーションによる浸水被害想定やハザードマップの作成、下水道による浸水対策を推進するための雨水管理総合計画の策定、雨水の排除や一時的な貯留を行うための管きょやポンプ場の計画・設計、浸水から施設を守るための耐水化などを総合的に支援します。

合流式下水道からの越流水対策のうち、夾雑物を削減するには、全ての雨水吐き室で個別に対策する必要があるため、設置から維持管理にわたって簡易で安価な方法が求められています。

当社は、この課題に対する解決策として渦流式水面制御装置を提供いたします。当装置は経済性および維持管理性に優れた特徴を有し、2022年度末時点で、国内59都市の1900箇所以上のほか海外5箇国でも導入実績があります。

主な事業実績

国名 日本
発注者 大阪市
プロジェクト名 大阪市工業用水道特定運営事業等
実施期間 2022年4月~2033年3月(10年間)
プロジェクト内容 本事業は大阪市水道局が運営する工業用水道に係る公共施設等運営事業(コンセッション事業)で、工業用水道の供給及び運営等、浄水場及び配水場の管理運営(更新含む)、管路の管理運営(更新含む)、お客様サービス、災害・事故対応等の業務を行うプロジェクトになります。民間事業者が工業用水道事業者として事業許可を取得し、工業用水道事業全般を運営する国内初のフルパッケージのコンセッション事業に事業者として参画するものです。
日本工営の業務 浄水場及び配水場は、先進技術を活⽤し維持管理データベースを構築する事で、データに基づく効果的な修繕・更新を実施・管理します。また、全ての管路に対して、事後保全ではなく、広域探査による状態監視保全を導⼊し、事業期間を通して漏⽔の発⽣確率の評価⼿法、⼤規模漏⽔リスクの評価⼿法を最適化し、管路の⻑寿命化を実現、安定供給を維持します。
国名 日本
発注者 栃木県 小山市
プロジェクト名 若木浄水場等更新整備及び維持管理事業
実施期間 設計・建設期間:2022年2月~2030年3月
運転管理期間:2022年4月~2035年3月
プロジェクト内容

本事業は公共団体が資金を調達し、民間事業者が設計・建設から維持管理業務を一体的に行うことで、長期的な視点からコスト縮減や安定的な運転が図れる設計、建設、運転管理一括発注(DBO:Design Build Operate)方式のプロジェクトとなります。

小山市の基幹施設である若木浄水場の更新と、その更新期間中に浄水機能を維持するための羽川西浄水場の能力増強及び鶉島浄水場の設備修繕を実施するものです。

日本工営の業務 民間企業グループの設計担当として、主に土木建築設計及び機械設備・電気設備を含む設計全体のとりまとめを担当します。日本工営の有する豊富な経験・実績、培ってきた耐震補強設計や耐水化設計の知見を活かし、高度な耐震解析手法を用いた精度の高い耐震診断及び耐震補強設計を行います。また、周辺住民の方々に参加頂ける共同花壇の設置や、沈砂池壁面に高圧洗浄機による壁面デザインの提案など、ハード面だけではなく、より地元に愛され親しまれる浄水場となることを目指します。
若木浄水場の完成予想図
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