基盤技術 地盤環境

建設事業において地盤・地質に係わる調査・解析・設計・施工監理と一貫した技術サービスを行っています。地盤・地圏・地下水・地盤保全技術および地震防災技術は、国内外や事業分野を問わず不可欠な技術であり、全分野を下支えする要素技術としての役割を担っています。
地盤環境分野は、空港、軟弱地盤、フィルダム、基礎工、シールドに関わる土質調査、試験、解析、河川構造物・堤防強化調査解析、大規模地震に対する空港土木施設、下水道施設、河川・海岸施設等の地震防災関連解析、地質・地下水・地盤保全調査および解析、影響評価、地下水・地盤保全対策検討等を対象範囲としており、「地盤基礎分野を差別化技術として育み,展開する」という方針で保有技術の高度化・差別化を図りながら,各事業部門と協働した付加価値の向上に努めています。
地域の安全・安心確保のため緊急度の高い、地球温暖化により懸念される集中豪雨に対して被害を予防・最小化する直轄河川の整備事業や大規模地震に備えた防災関連施設の整備事業に係わる耐震検討、軟弱地盤に起因する環境振動にも取り組んでいます。また、土壌汚染対策法の対応、自然由来重金属等を含むトンネル掘削岩や浚渫土砂、埋設廃棄物などの環境汚染リスクに対する評価、建設事業に伴う地下水・沢水、水質への影響評価など設計とタイアップした地球環境に展開する複合型、環境型の多様な地盤コンサルティングサービスを提供いたします。

主な技術サービス

豊富な経験を元に、土壌・地下水環境の最適なソリューションを提供いたします。

軟弱地盤上に建設される構造物の形式・機能・重要度や対象地盤の特性から想定される課題(安定性、圧密沈下、液状化等)を抽出したうえで、適切な調査・解析を計画・実施し、対策の必要性を判断します。
対策が必要と判断された場合には、対策の目的、対象土の物性、周辺への影響を考慮しつつ、高度な技術力と豊富な経験に基づき、経済的かつ最適な工法を選定します。

都市の高密度化や地下空間を含めた社会資本整備の進展に伴い、特に都市部の開発では、ライフライン施設や建築構造物等が輻輳することは少なくありません。
当社は、既設構造物への影響検討に必要な調査を計画・実施するとともに、影響予測解析(FEM)を行い、構造物に応じた照査(変位、応力等)により、対策の必要性の判定をコンサルティング致します。さらに、必要に応じて施工時の動態観測計画を策定します。

大規模地震の切迫性が全国各地で高まる中、尊い人命や貴重な資産を地震災害から守るためには、地震に強い構造物にすることが最も効果的な方法です。
当社では、空港・港湾、河川、道路、上下水道施設等に関する幅広い耐震設計・性能照査と計画立案の実績・経験と高度な解析技術に基づき、地震動に強い安全・安心な暮らしを守るための最適なソリューションを提案します。

軟弱地盤上での建設工事や車両走行は周辺に不快な振動を繰返し発生させ、快適な生活の妨げとなる場合があります。
当社では、このような軟弱地盤に起因する環境振動の調査・測定から原因分析、対策工の検討・設計まで、一貫した技術サービスを提供します。

ダム、トンネル、道路、建物、発電所などの構造物を安全かつ経済的に設計・建設する上では基礎地盤の種類や強度、透水性などを正確に把握することが重要です。
我々の住む日本列島は、山地、丘陵、低地などの多種な地形をなし、付加体、火山地帯、断層などの複雑な地質を有しております。また、地震の多発地帯でもあり地盤の液状化の問題や耐震設計・補強対策に対するニーズも増えております。
当社は数多くの業務で培われた実績と人財、最新の技術をもとに関連する設計部門と連携し、地盤に関わる問題を抽出し、品質の高い調査・解析を提供致します。

地質調査は、従来から地質踏査やボーリング調査があります。当社ではこれらに加え、地盤の種類や風化、断層破砕帯、変質帯などの分布や性状を正確に把握するため、弾性波探査、電気探査(比抵抗二次元探査)、レイリー波(表面波)探査、レーダー探査等の物理探査やボーリング孔内を利用した現場透水試験や速度検層、電気検層等の物理検層を行なっております。
特に弾性波探査、電気探査等の解析ではトモグラフィ解析手法を導入し、解析精度の向上を実現しています。

最近、道路直下の空洞や戦時中に掘られた地下壕の陥没が多く発生しております。安全・安心な社会生活を営む上では、これらの空洞の分布・範囲や規模、陥没の危険性を正確に把握し、対策工を検討することが重要であると考えております。
私共は長年培ってきたレーダー探査やレイリー波(表面波)探査などの物理探査手法を駆使し、空洞の分布・範囲や周辺の地盤特性を踏まえた陥没の危険性の評価および対策工技術を提供致します。

地下水は一般に表流水よりも水質が優れており、飲料水のみならず工業用水・農業用水として広く利用されています。また、地震等の災害に強く非常用水源としても機能します。しかし、沿岸部や島しょ部では、海側から塩水が侵入する地下水塩水化によって井戸利用障害や農作物への被害が生じる場合があります。今後の地球温暖化に伴う海面上昇の影響で地下水塩水化がさらに進み、その影響や被害が拡大することも懸念されています。
この問題に対して、沿岸部における地下水管理を推進し持続可能な地下水利用を実現するための、地域の特性を活かした調査計画を提案します。また、移流分散の数値解析モデルを用いて塩水化実態の再現と将来予測、有効な対策方針の立案を行います。

山岳トンネル建設時の湧水問題は、トンネル工事と周辺地下水・沢水利用の両面に影響します。道路事業の経済的リスクの評価や回避が注目されるなか、トンネルが地下水環境に与える影響を予測し渇水対策を行う必要性が高まっています。
この問題に対して、トンネル施工域周辺の地下水ポテンシャル分布を明らかにするための現地調査と、そのポテンシャル分布と流動の実態を再現した数値解析モデルを用いトンネル掘削の影響や対策効果を評価する技術サービスを提供します。

私たちの住む土地は、過去に立地していた工場等の生産活動により、トリクロロエチレン(TCE)や六価クロム(Cr6+)などの有害物質による土壌が分布したり地下水が汚染される場合があります。また、焼却場跡地などでは、ダイオキシン類による汚染が認められる場合もあります。加えて、土壌・地下水汚染を引き起こす原因として、廃棄物の不法投棄などもあります。このような、人為的な原因による土壌・地下水汚染に対して、調査・対策・モニタリングと一貫した対応を行います。

トンネルやダム建設等の大規模な開発工事では、多量の建設副産物(掘削岩)が発生します。これらの掘削岩を盛土等に使用すると、酸性水が発生したり、砒素(As)や鉛(Pb)等が環境基準値を超えて溶出する場合があります。また、河川の浚渫土砂やダム貯水池の堆砂などにも同様のリスクがある場合があります。これらの原因は、岩石に含まれる自然由来の有害物質ですが、大量に溶出する場合、環境汚染を引き起こす可能性があります。このような、自然由来の環境汚染リスクに対する評価や合理的な対策検討を行います。

2000年5月に公布された「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」に伴い、今後、大規模な地下空間の利用が考えられます。地下空間の利用にあたっては、酸欠空気の発生、地下水の酸性化、発熱反応などの化学変化が発生する危険性があります。また、超深度地下利用(核廃棄物の地層処分、CO2地下貯留など)についても化学反応に伴う環境変化が予想されます。このような環境変化の予測・対応の策定等を行います。

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