運輸・交通
モータリゼーションの進行に伴って深刻化している交通事故や渋滞そして環境汚染の改善、活発化する経済活動を支える広域的な物流インフラ網の整備、経年劣化や災害等により破損した交通施設の修繕、自然災害対策、施設の維持管理の仕組みの構築など、日本工営は交通・運輸に関わる諸問題に対し総合的なコンサルティングサービスを提供しています。
現在起きている諸現象の分析および将来の予測に基づき最適な解決策を提案するとともに、必要となる施設の整備に関する計画策定・設計・施工監理、また施設の維持管理や人財教育などに対するアドバイザリーサービスを行うことで、良好な交通環境形成の支援を通して経済発展に貢献しています。
近年は、成長が著しい新興国の経済活動を支えるための広域幹線道路や港湾などの物流インフラ整備、地球温暖化問題を背景として世界的な潮流となっているモーダルシフト対策としての都市鉄道の整備に係るコンサルティングサービスにも力を入れています。

運輸・交通の主な事業実績
ホーチミン市都市鉄道建設プロジェクト(ベンタイン~スオイティエン間<1号線>)

国名 | ベトナム |
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発注者 | 相手国政府 |
プロジェクト名 | ホーチミン市都市鉄道建設プロジェクト(ベンタイン~スオイティエン間<1号線>) |
発注者名・資金源 | ホーチミン市人民委員会 都市鉄道管理局・円借款 |
実施期間 | 2008-2019 |
プロジェクト内容と裨益効果 | ベトナム最大の都市ホーチミン市の人口は710万人(2010年)に達し、人口の増加・経済成長により、二輪車・四輪車が増加しており渋滞・交通安全の低下・大気汚染等の問題が生じています。 本プロジェクトでは、市中心部のベンタインから、市東北部に位置するスオイティエンまで、総延長19.7kmのベトナム初の本格的な都市鉄道(地下区間および高架区間)を建設します。 また、時間の正確性、大量輸送、高い安全性に強みをもち、軽い車体による省エネルギー、安価なメンテナンスコスト等を特徴とする日本の鉄道技術およびノウハウを活用することとなっています。 |
諸元 |
総延長:19.7km うち地下区間:2.6km(駅数3) うち高架区間:17.1km(駅数11) |
日本工営の業務 | 設計・施工監理 |
パクセ橋建設プロジェクト


国名 | ラオス |
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発注者 | JICA/相手国政府 |
プロジェクト名 | パクセ橋建設プロジェクト |
発注者名・資金源 | 国際協力機構(JICA)/ラオス国通信・運輸・郵政・建設省・無償資金協力 |
実施期間 | 1995-2000 |
プロジェクト内容と裨益効果 | 内陸国であるラオスの交通輸送は主に陸路に依存しています。しかし、タイとの国境から約40キロメートルに位置する南部の中心都市パクセ市ではメコン川を渡るのにフェリーを利用しなければなりませんでした。フェリーの運航は日中のみで本数も少なく、人・モノの輸送に大きな支障をきたしていました。 本プロジェクトでメコン川で3番目の橋長1,380mのパクセ橋を建設し、24時間いつでも待ち時間なく河を渡ることが可能となりました。これにより、パクセ橋近くの市場は野菜の集積地として活性化し、タイからの観光客も含め観光客数も増えています。 完成時には記念切手が発行され、紙幣にも絵柄が起用されました。「日本とラオスの友好の橋」としてラオス国民にも広く認知されています。 |
諸元 |
パクセ橋
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日本工営の業務 | 調査・設計・施工監理 |
タンジュンプリオク港アクセス道路建設プロジェクト

国名 | インドネシア |
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発注者 | 相手国政府 |
プロジェクト名 | タンジュンプリオク港アクセス道路建設プロジェクト |
発注者名・資金源 | 公共事業省地域インフラ総局・円借款 |
実施期間 | 2006-2012 |
プロジェクト内容と裨益効果 | インドネシアの経済・商業の中心地であるジャカルタ首都圏では、人口増加と経済成長により車両登録台数が急激に増え、交通渋滞が深刻化していました。首都ジャカルタ市の北東部に位置するインドネシア最大規模のタンジュンプリオク港にアクセスするにも周辺道路の交通渋滞で時間を要し、地域経済停滞の原因のひとつとなっていました。 本プロジェクトでは、国内の各主要拠点から港までのアクセス時間の短縮を図るため、既存のジャカルタ北東部外環道路とジャカルタ湾岸道路を結ぶタンジュンプリオク港アクセス道路(高速道路12km)を建設しました。 また、日本の技術を活用し、橋梁部は桁本数と美観を考慮して、U形の桁構造が採用されています。 |
諸元 |
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日本工営の業務 | 設計・施工監理 |
ポンペイ国際空港改善プロジェクト

国名 | ミクロネシア |
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発注者 | JICA/相手国政府 |
プロジェクト名 | ポンペイ国際空港改善プロジェクト |
発注者名・資金源 | 国際協力機構(JICA)/ミクロネシア外務省・無償資金協力 |
実施期間 | 2005-2011 |
プロジェクト内容と裨益効果 | ポンペイ国際空港は、首都パリキールがあるポンペイ本島唯一の空港で、航空輸送は近隣各国を結ぶ重要な交通機関であると同時に、国内に散在する島々の各州を結ぶ重要な役割を担っています。 1969年の建設後40年近く経過し施設が老朽化していました。また、滑走路が1,836mと短いうえ、滑走路両端が海に阻まれているため安全上必要なオーバーランも十分に確保されていないという問題を抱えていました。さらにターミナルが狭くピーク時の利用者数は施設容量を超えていました。 本プロジェクトにより、滑走路が延長され、これまでの旅客・貨物の積載量の制限が緩和され、さらにオーバーランが拡張されることで国際基準に適合した安全性が確保されました。 さらに、ターミナル・ビル別棟の増築にともない、各旅客取扱施設の処理能力が改善され、これにより入国審査場や税関審査での待ち時間が緩和されました。 |
諸元 |
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日本工営の業務 | 調査・設計・施工監理 |