交通運輸 道路

国内および世界各国の道路に関わる調査・計画・設計・施工監理の「整備」に係るサービスから、機能保全・向上や維持管理の「管理」に係るサービスを提供しています。社会や経済の発展、地域の活性化、物流の効率化、都市部の深刻な渋滞の解消、地球温暖化対策、国土強靭化対策等に果たす道路の役割は大きく、空港、港湾、河川、鉄道、情報、防災、環境、維持管理とさまざまな分野との連携により生活者、利用者視点の道路整備を進めています。

主な技術サービス

道路整備事業では、道路の設計、施工計画の策定、予算管理、品質管理、持続可能な環境への配慮など、多岐にわたる専門知識とサービスを提供します。地域の交通ニーズや法規制に配慮し、効率的かつ持続可能な道路ネットワークの開発・構築を支援し、交通の円滑化や安全性の向上、経済発展に貢献します。建設コンサルタントにおける道路整備事業は、社会的な利益をもたらす重要なプロジェクトであり、地域の発展に不可欠な役割を果たしています。

橋梁や構造物の計画・設計では、「構造計画、数値解析、耐震技術、景観設計、技術開発」の五つの専門分野を主軸とした技術提供を行っています。都市内の高架橋、河川や港湾を跨ぐ大型橋梁、空港内に建設される特殊橋梁まで基本計画や設計を実施します。構造計画では、基本条件や現地制約を図化しながら最適構造や架設計画の提案を行います。数値解析においては鋼・コンクリート複合構造などのFEM解析や、耐震技術では軟弱地盤を含めた構造物全体の耐震解析など、総合コンサルタントの技術力を活かした設計を実施します。景観設計では、周辺環境と調和した橋梁全体のデザインや色彩計画を3D-CGで提供します。新技術・工法の開発においては、ダメージフリー構造の免震機構などさらなる耐震性能向上に向けて大学と協力しながら独自の技術構築を行っています。

急峻山地・河川・海峡においては、計画段階で採用可能な工法(NATM、シールド、開削、沈埋)を抽出し、適正案を比較選定します。設計段階では、"適切な支保構造選定"・"脆弱部の補助工法や効果検証のための解析や構造計算"・"坑口位置形式の選定"・"施工計画"・"景観設計"を行います。さらに換気・照明や非常用設備計画のほか、トンネルを安全に利用するための定期点検や補修計画策定も行っています。また、新設トンネルの計画が困難な場合は、供用中の交通を維持しながら拡幅するリニューアル計画を提案するなど地下構造物の全般に携わっています。

耐震補強は、損傷部材の補強だけではなく、橋全体として耐震性の向上を図ることが重要であるため、分散・免震機能の付加等の各種デバイスを駆使してコストパフォーマンスの高い技術を提供しています。また、当社中央研究所では動的遠心載荷模型実験を適用した大規模地震時高速道路盛土の破壊形態および耐震対策に関する検討を行っています。さらに、路線特性などに応じて求められる耐震性能や橋梁の重要度等を考慮した耐震補強計画の策定により、一層効率的・効果的な事業推進を支援します。

道路インフラの維持管理における様々な課題に対して、点検・診断~検討・設計~計画・マネジメントサービスのパッケージによりソリューションを提供し課題解決を図ります。点検・診断では、蓄積されたノウハウによる的確な点検・診断とともに、3DモデルやAI技術を活用した点検・診断アプリ、モニタリング技術などの新技術の開発・導入を図り、高度化・効率化を支援します。また、橋梁・トンネルなどの道路施設を対象に、これまでの対症療法的な修繕・更新から予防的な修繕へ転換し、施設の長寿命化を目指した長寿命化計画の策定を支援します。道路の日常管理においては、新技術・DXの導入や、官民連携などの新たな維持管理の仕組みなど、限られた体制や予算の中でより効率的に道路維持管理を実施するための方策立案を支援します。

道路整備事業や維持管理事業において、民間の技術・ノウハウや創意工夫を活用するための官民連携に取り組んでおり、事業促進PPPや包括的民間委託等に参画し、マネジメント支援を行っています。事業環境が大きく変化していく中で、スムーズに維持管理事業が進められるよう、業務範囲のデータをシームレスに繋ぎ、全体最適・一元管理による効率的・効果的なマネジメントを開発し、また、マネジメントとシステムが一体化し、情報がリアルタイムで共有でき、迅速な判断・意思決定をするたしくみを開発・提供しています。このしくみを実施するため、多様なマネジメント機能と複数の支援システム、デジタルツール等が一体化した統合システムを開発し、提供しています。

主な事業実績

国名 ネパール
発注者 国際協力機構(JICA)、ネパール国インフラ交通省
プロジェクト名

シンズリ道路建設計画(The Project for Construction of Sindhuli Road)

シンズリ道路維持管理運営強化プロジェクト(The Project for Operation and Maintenance of the Sindhuli Road)

実施期間 1986-2023
プロジェクト内容

シンズリ道路は、ネパールの美しい自然と壮大なヒマラヤ山脈の景観に抱かれた約160km(ドリケル~バルディバス間)の山岳道路です。首都カトマンズとインド国境を結ぶ道路整備事業は、輸送距離の短縮に伴う経済効果並びに開発の遅れた中部山岳地帯の発展を促すことを目的とし、わが国の無償資金協力により実施されました。亜熱帯地方の豪雨と脆弱な地質、最大1000mもの標高差を持つ急峻な山地といった極めて厳しい自然条件を克服するために、わが国の山岳道路の建設技術が最大限に活かされています。

当社は1986年の調査開始以来、建設工事や適切な運営管理の実現に向けて、約40年に亘って一貫して本事業に携わってきました。また、道路完成後における安全で円滑な道路交通を確保していくため、ネパール政府の道路局の維持管理能力の向上を図る技術支援を行っています。2016年土木学会技術賞、第3回JAPANコンストラクション国際賞受賞。

日本工営の業務 フィージビリティ調査、基本設計、詳細設計、施工監理、維持管理技術協力
国名 ミャンマー
発注者 国際協力機構(JICA)、ミャンマー国建設省
プロジェクト名 新タケタ橋建設計画(The Project for Construction of New Thaketa Bridge)
実施期間 2013-2018
プロジェクト内容

旧タケタ橋は、ヤンゴン市南部の経済特区と市中心部を結ぶ路線に位置し、物流を担う主要な橋梁の一つでしたが、供用開始から60年ほど経過して老朽化が著しく、さらに渋滞が激しいため、本邦無償資金協力による架替工事で新タケタ橋が整備されました。

新橋架替に伴う道路線形の改良と車道や路肩の幅員増加で安全安心な道路が整備され、重量制限の緩和や4車線化によって慢性的な渋滞の解消と物流の効率化が図られています。また、PCエクストラドーズド橋や鋼管矢板井筒基礎など本邦技術の積極的な導入と技術移転プログラムの実施によって、ミャンマー国技術者の能力向上にも寄与しました。第5回JAPANコンストラクション国際賞受賞。

日本工営の業務 マスタープラン、フィージビリティ調査、詳細設計、施工監理
国名 日本
発注者 国土交通省中部地方整備局四日市港湾事務所
プロジェクト名 臨港道路霞4号幹線整備事業
実施期間 2000-2018
プロジェクト内容

臨港道路霞4号幹線は、四日市港霞ヶ浦北ふ頭と伊勢湾岸自動車道みえ川越IC付近を結ぶ、約4.1kmの臨港道路です。慢性的な国道23号の渋滞緩和、コンテナターミナルの機能拡充を目的として計画され、平成30年の開通までに約20年間を要しています。日本工営は2000年度のルート検討から開通に至るまでの長期にわたり本事業に従事し、橋梁の設計や渡河部の流況解析、環境調査などさまざまな業務に対応してきました。

日本工営の業務 調査・設計
発注者名 福島県県南建設事務所
プロジェクト名 国道289号甲子トンネル補強設計・施工管理
実施期間 2012-2023
プロジェクト内容

福島県の中通りと会津地方を結ぶ基幹的な道路にある国道289号甲子トンネル(L=4,325m)内で発生している路面隆起等について、変状の範囲・進行性を詳細に把握して変状メカニズムを究明し、2次元数値解析(FDM解析)を用いてトンネルに作用する応力を求めてインバート改築を行うことを決定しました。

またプレキャストコンクリートを利用することで、夜間通行止め(昼間交通開放)での施工を計画し、経済的な影響を含む社会的損失を大きく低減させ、関係自治体や商工観光団体等との合意を形成し、工事着手を実現しました。

現在も鋭意対策工事が進められていますが、計測・変状分析を実施しながら、工事管理および監督員補助も行っています。

日本工営の業務 補強設計・施工監理
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