国土保全

国土保全分野は、国内外で国土保全や人々の安全・安心を実現するため、大規模地震・火山噴火、集中豪雨など様々な災害から社会を守る様々な技術サービスを提供しています。
特に近年、局地的な異常豪雨や大規模地震が多発しており、これら災害に対する応急対策や地域振興を念頭に置いた恒久対策に対して第一線で対応しています。

主な技術サービス

斜面災害を未然に防ぐには、斜面変動に対し計測機器を用いて継続的に観測し、その変動状況を常日頃捉えることが重要です。
斜面災害の計測手法には、手動観測・半自動観測・自動観測の3種類があります。手動観測と半自動観測は、データの取得に現地に観測員が赴く必要があり、取得後にデータを整理して斜面の変動を把握する方法です。それに対し、自動観測はデータの取得、データの転送、データのグラフ化までをコンピュータ上で行い、電話回線や無線により遠隔地でもリアルタイムで斜面変動が把握できるシステムです。
当社は、建設省建設技術評価規定(昭和61年建設省告示第1394号)に適合した「地すべり自動観測・監視システム(LAWS)」を開発しました。当システムは、地すべりをはじめとする斜面災害に多岐にわたり採用されており、全国に200以上のシステムが導入されています。近年ではインターネットを用いた観測データの閲覧(iLAWS)、警報メール発信なども実施されており、土砂災害の軽減や対策工事の安全施工に大きな効果を発揮しています。

近年地球温暖化が問題となり、森林や緑の持つ重要性が再認識されています。私達は治山事業を通して、山地災害の防止・軽減を図るとともに水源かん養を確保し、森林環境を保全していく事業に従事しております。特に山地災害の一つである地すべりは、規模が大きく、大量の土砂移動を引き起こす場合があります。私達は長年培ってきた技術と経験により、地すべり災害から山の緑を保全する事業に携わっております。
山間地では、林道が治山事業のみならず人々の生活道としても利用されています。私達は林道事業を通して、地域の生活を支える事業に貢献しております。

社会基盤の基礎である道路を土砂災害から未然に防ぎ、交通ネットワークを確保することは国民の社会生活や産業活動、人命を守るために非常に重要な役割です。災害を未然に防ぐ手段として、道路防災点検は非常に重要な役割です。
道路防災点検は、近年多発する異常気象(豪雨、地震、豪雪)により発生する災害を防止するため、道路斜面や道路施設(盛土、擁壁等)の安全性に関して詳細な点検を実施します。点検内容は落石や崩壊、地すべり、土石流、盛土、擁壁、雪崩等の多岐にわたっているため、土砂移動現象の調査や対策に、経験豊富な卓越した専門技術者が点検致します。土砂災害点検の結果は、防災カルテによりデータベース化して管理の効率化を推進しています。
また、防災点検等により確認された危険箇所については、的確な調査の実施、最適な・設計を行い、安心・安全で災害に強い道路づくりを目指します。災害が発生した時には、応急対応から復旧までの調査・設計の対応を速やかに行います。事前通行規制区間については、雨量規制基準値の緩和・解除を目指した検討業務も実施します。

貯水池周辺の斜面は、ダムの建設や運用によって新たに水没や水位変動の影響を受けることになるため、斜面内に分布する地すべりの活動が活発化したり、通常の気象条件下では安定していた緩み岩盤や崖錐性堆積物等が新たに動き出したりすることがあります。こうした斜面変動がダムや周辺施設の安全性に大きな影響を与えないようにするためには、湛水前の十分な検討のほか、貯水池斜面特有の条件を考慮した調査や検討が必要です。弊社では、全国各地のさまざまなダムでの豊富な検討実績を有し、貯水池斜面で発生する地すべり・斜面崩壊・落石によって発生する構造物への直接被害から、段波によって想定される間接被害まで、その調査、解析、予測、対策の立案から設計までのコンサルティングサービスをご提供しております。

近年、地球温暖化に伴う異常気象などにより、地すべり・斜面崩壊等の土砂災害が多く発生し、河川・砂防分野においても安心・安全な環境を整備していくことが求められています。
当社は、これらの課題に対し、数多くの現場で培った斜面安定化技術を駆使し、ソフト・ハードの両面から河川・砂防分野における斜面問題の調査・設計に取り組んでいます。

地すべり防止区域・急傾斜地防止区域・山腹荒廃地の調査と対策工設計
地すべり、崩壊等の斜面対策を検討では、その現象の規模や要因を的確に捉えることが重要です。このため、合理的な調査・観測を計画実施し、信頼性の高い対策施設設計を実施します。
土砂災害防止法に伴う危険区域設定調査(基礎調査)
ソフト対策の一環である土砂災害防止法に伴う基礎調査では、設定区域の妥当性を明確にすることとあわせて、住民の方々に対して十分に配慮した調査を実施します。

わが国の国土は、地形、地質、気象等のきわめて厳しい状況下にあり、自然災害から国民の生命・財産を守ることは最も基礎的な課題です。国土の約7割を山地・丘陵地が占め、地震・火山活動も活発である上に、台風や豪雨に見舞われやすく、災害対策の重要性はますます高まっています。斜面崩壊や地すべり滑動,落石など自然災害による道路、河川等の被害が発生した際は、全国に配置された専門技術者が迅速に現地踏査を行い、斜面災害復旧の豊富な経験とノウハウをもって、応急復旧から調査・計器観測、恒久対策に向けた解析・対策工設計まで一連の対応を速やかに行います。さらに災害復旧および再度災害防止に向けた技術的支援に取り組んでいます。

公共事業で培ったノウハウを活用し、民間事業者向け土砂災害危機管理サービスを提供しています。近年、大規模地震や集中豪雨による土砂災害が多発し、災害リスクが増加する中、別荘地、住宅地及びリゾート地等の大規模開発地では、利用者の安全を確保することが、管理者である民間事業者にとって重要な課題となっております。土砂災害危機管理サービスを通じ事業者の企業価値・資産価値の向上に貢献しています。

斜面対策工の検討及び詳細設計の高度化、効率化、生産性向上を目的として、BIM/CIMを活用した3Dモデルによる予備・詳細設計を実施しています。
地すべり対策工である、杭工・アンカー工・吹付法枠工・集水井工・横ボーリング工・頭部排土工・押え盛土工に関しては、プログラミングによる3D自動設計に取り組んでおり、2Dでは困難である3D視野での対策工詳細設計を実施しております。作成した3Dモデルより、工事数量や概算工事費の算出が自動で一括に作成することができます。

対象流域の特性を把握するため、地形、地質要素や過去の土砂移動履歴、崩壊地の状況、渓流内の露岩箇所、土砂及び巨礫の堆積状況等を調査します。また、土砂災害を引き起こす有害な生産・流出土砂を効果的かつ効率的に処理する砂防計画を策定します。氾濫解析などの数値解析に基づく被害範囲の想定、砂防施設の最適配置の提案、砂防施設設置に伴う被害軽減効果の検討を行うとともに、説明責任(アカウンタビリティー)確保の視点から砂防事業効果の検討を実施し、費用便益分析、地域社会や事業評価委員会等への説明資料を作成します。

詳細な現地調査により砂防堰堤の適地を抽出し、施設配置案(形式、構造、設置箇所の組合せ等)の比較検討を行い、最適な選定案に基づき、BIM/CIM技術を活用した砂防堰堤の予備・詳細設計を実施します。特に土砂整備率向上に寄与する堰堤位置および堰堤タイプの選定、本体工、仮設道路の工事費(イニシャルコスト)、維持管理に要する費用(ランニングコスト)を含めたトータルコストでの評価などの技術サービスを提供します。
また、登録有形文化財や石積砂防堰堤を含む歴史的価値のある既設堰堤に対して、内部構成材料や出水等に伴う被災機構を踏まえた健全度評価を行い、健全度や施設の重要度に応じて、現行設計基準等に準拠した砂防施設の補修・補強設計を行います。

想定される火山噴火シナリオに応じ、平常時および緊急時における対策計画をより具体的で実効性の高いものとするため、二次元氾濫シミュレーションを用いた被害想定範囲の把握、ハード対策の施設配置とその効果検証、ソフト対策として監視・観測機器の適切な配置等、実効性の高い緊急減災対策砂防計画の策定を実施します。
また、自動降灰・降雨量計や降灰マーカー等を活用することにより火山噴火に伴う降灰量の迅速な計測技術の開発、火山噴火が発生した場合には国による緊急調査の技術支援を行います。

土石流の発生や土砂洪水氾濫の検知、中長期的な土砂流出状況の把握等、流域監視や土砂移動モニタリングが重要になっています。当社では従来のワイヤーセンサーによる土石流検知の課題を解決するために土石流発生時の荷重・振動・圧力(水深)を計測することで土石流検知が可能なセンサーの開発、土石流の土砂濃度等の内部構造を把握することができる土石流荷重計の観測・解析、監視カメラ画像の解析技術を用いた流域監視、ハイドロフォンや濁度計等を用いた流砂量観測等を行っています。
また、流域内においては、砂防堰堤、多目的ダム、海岸保全施設等を建設してきたことにより、ダム堆砂、平野部や河口部での河床低下、海岸線の後退などの問題が発生しています。土砂移動モニタリングで得られたデータを解析し、出水時に流下する流砂量や粒径を求めることにより土砂管理の基礎資料として活用し、水源から河口・海岸までバランスのとれた総合土砂管理計画を検討します。

山地河川では、土石流、細粒成分や流木を含む流れなど複雑な現象が発生します。水理模型実験には、地形模型実験、直線水路実験の2種類の実験があり、前者は地形による影響を含め3次元的に土砂や流木の挙動、後者は河道形状を直線的に模擬し2次元的な現象を再現します。実験を通じて、複雑な土砂移動現象や流木の挙動等を再現し、実験結果を反映したより効果的な施設配置計画や施設効果検討、施設設計を実施します。また、実験動画を用い、施設機能や現象をわかりやすく説明する合意形成のツール作成も行っています。

砂防施設の機能及び性能を維持・確保するため、砂防施設の点検を行い、部位ごとの変状レベルを評価したうえで施設の健全度評価を実施します。当社では砂防施設点検の効率と安全性を向上するため、UAVが有する汎用的な航行能力や、搭載カメラの性能、自律飛行機能等の最新技術を砂防施設点検に活かすための技術開発も行っています。
また、既存の砂防施設の機能及び性能を長期にわたって維持・確保することを目的として、従前の長寿命化計画の再検討、中長期における予防保全対策を取り入れた長寿命化計画を作成します。劣化予測及びLCC検討では、過去の補修対策工事履歴や施設点検結果を活用して将来の補修実施タイミングを予測し、実現可能な計画を提案します。

梅雨・台風による集中豪雨や地震に起因した同時多発的な土石流災害や天然ダム形成など大規模土砂災害が多発しており、早期の警戒や応急復旧に先立つ初動段階での土石流災害調査、渓流調査を実施します。
土石流の発生現場では、下流の住民の皆さんに加え、災害復旧に従事する作業員さえも命の危険にさらされる場合が多くあります。このため、迅速な現地調査により規模や要因を的確に捉え、安全を確保するための土石流センサー設置計画や設置作業、応急工事などに役立つ土石流災害への安全計画策定を支援します。また被災地住民や地域社会への情報提供や公共土木施設災害復旧事業の申請に必要な技術資料の作成等のコンサルティングサービスを提供しています。

近年、大規模土砂災害が多発しており、災害時の迅速な対応への要請が高まっています。このため、大規模土砂災害を想定した土砂災害ポテンシャルの高い危険箇所の抽出、深層崩壊調査など被害範囲の想定、土砂災害の経過・推移時間の定量的な分析、解析を実施します。また、国・自治体の防災体制を踏まえた危機管理計画策定、土砂災害を対象とした防災訓練の実施支援、災害シナリオの立案を実施します。現地データ集積により精度の高い氾濫解析結果を用い現実的な危機管理計画を作成し、きめ細かい防災関係機関の災害協定支援、天然ダム対応マニュアル、TEC-FORCE運用マニュアルの作成支援を実施します。

近年、地震やゲリラ豪雨等に起因した大規模土砂災害が多発しておりますが、災害に対応するべき国や地方自治体は、年々土木技術職員が減少する傾向にあり、現場職員の負担増や復旧事業の遅延が問題になっています。また、土砂災害現場での復旧作業は、2次災害を防止するために、地すべりや土石流に関する専門的知識をもって安全管理をすることが必要です。当社では、基本計画段階~施工段階まで、どの段階からでも土砂災害の専門技術者が、発注者の立場に立って事業のマネジメントを行い、これらの課題に対処します。

「自然災害報道から見た全世界の自然災害発生状況の整理・分析」(一般社団法人国際建設技術協会・2021年)によると、世界における災害種別発生件数では土砂災害は洪水に次いで多く、全体の2割に上ります。気候変動の影響と思われる降雨パターンの変化等により、土砂災害発生件数は近年増加傾向にあります。例えば、ネパールのように自然災害のうち土砂災害が突出して多い国や南米エクアドルのように自然災害による犠牲者の4割が土砂災害による国もあります。
こうした土砂災害のリスクに対して、防災インフラ(地すべり対策、崩壊対策、砂防ダム等の砂防施設)の整備といったハード対策、及び、土砂災害の調査・分析、リスク評価・ハザードマップの策定、早期警戒システムの構築、避難体制の強化、土地利用規制などのソフト面において途上国政府の能力向上を支援し、災害被害の軽減に貢献します。

2015年3月の第三回国連防災世界会議において採択された仙台防災枠組は、日本の防災・復興経験に基づいて事前防災投資による強靭化を4つの柱の一つとして掲げています。
開発途上国における都市化の進展は著しく、都市部への人口集中と産業集積が急速に進展しています。他方で、地震、洪水、土砂災害などの災害リスクが都市開発に十分に考慮されていない、建物の耐震基準が守られていない、あるいは発災後の対応や復興に向けた体制が脆弱といった都市防災に係る多くの社会的な課題があり、一度災害が起こるとその規模は甚大なものとなります。
こうした開発途上国の都市において深刻化する自然災害の被害に対して、我が国の防災技術や復興の経験を活かし、災害の被害想定やリスクを考慮した都市計画やインフラ整備計画の立案を通じ、災害に強い都市づくりに貢献しています。

主な事業実績

発注者 埼玉県
プロジェクト名 公園等施設補修工事(発注者支援(CM方式)業務委託)
実施期間 2022年7月22日~令和5年3月31日
プロジェクト内容 令和元年東日本台風によって秩父ミューズパークに発生した、幅約350m、奥行き約250m、推定移動土塊量約100万m3規模の地すべり対策工事に対するCM業務
国名 エルサルバドル
発注者 国際協力機構(JICA)
プロジェクト名 気候変動リスク管理戦略局支援プロジェクト フェーズ1
実施期間 2012-2015
プロジェクト内容 エルサルバドル政府は、災害リスク管理を通じた公共インフラの災害予防及び緊急復旧作業の体制構築を組織的に推進するため、公共事業・運輸・住宅・都市開発省(MOPTVDU)内に気候変動・リスク管理戦略局(DACGER)を2010年に設立しました。本プロジェクトは、この創設時のDACGERの組織能力強化を支援しました。DACGERに対し組織の能力強化、災害発生時の迅速な緊急復旧作業の体制作り等を支援すると共に、特に豪雨災害にかかるリスクに着目し、斜面、河川、雨水排水施設、道路橋梁・カルバートに対し点検評価表を用いたリスク診断、インフラ強化事業の優先順位付、設計ガイドラインの作成等の技術支援を行いました。プロジェクトはGENSAIとの通称され、中米道路保全会議への参加、ホンジュラス国との技術交換、中米地域セミナーを行い、中米域での認知を高めました。
日本工営の業務 自然災害発生時の緊急対応能力、被害調査手法の構築・向上支援、地盤調査、動態観測、対策企画・設計・施工支援中米地域諸国等の関係者を対象とした成果普及セミナー、
2013年10月 エルサルバドル内技術展示会でのプロジェクト広報
エルサルバドル首都圏道路陥没(深さ12m)緊急調査・対応支援
首都圏パンアメリカン・ハイウェー地すべり地での地下水排除横ボーリング支援
地すべり等の斜面動態観測支援
国名 エルサルバドル
発注者 国際協力機構(JICA)
プロジェクト名 気候変動リスク管理戦略局支援プロジェクト フェーズ2
実施期間 2016-2021
プロジェクト内容 道路・橋梁等の公共インフラの災害予防及び緊急復旧作業の体制構築を組織的に推進するため、公共事業運輸省(MOPT)の気候変動・リスク管理戦略局(DACGER)への支援として、豪雨災害を扱ったフェーズ1に引き続いて道路斜面、道路橋梁等に対し地震と豪雨等非地震を統括的に扱った災害リスク管理技術を支援しました。本技術開発の成果は、国際防災会議インタープリブメント富山2018年でエルサルバドルのDACGERから発表し、Outstanding Poster Presentation Award 受賞しました。具体的には、リスク診断、リスク削減計画の策定、構造物・非構造物対策による災害リスク管理能力の強化の実装(パイロット・プロジェクト18箇所)に係る支援を行いました。さらに、中米の道路インフラの災害リスク削減に資する地盤・地震工学、水文・水理、橋梁・カルバートに関わる各種マニュアルの編集と普及、中米道路防災技術研究会の設立と技術ポータルサイトの運営・支援を行い、多くの本邦技術が登録され、パイロット・プロジェクトでも実装しました。
日本工営の業務 微動探査、地震動検層による、地盤の動的物性評価の把握、地震と豪雨等非地震を一体化して評価する箇所別道路災害リスクの年潜在損失額としての算定、対策の費用対効果分析ツールの開発支援、リスク削減対策に係る技術図書の作成支援、リスク削減対策事業の実装(パイロット・プロジェクト支援)
サンサルバドル市内の高架橋における地震動モニタリング支援
道路災害管理セミナー80人規模
中米の道路インフラの災害リスク削減マニュアル編集ワークショップ
本邦技術の高エネルギー吸収型落石防護柵のパイロット・プロジェクトでの実装
国名 ネパール
発注者 国際協力機構(JICA)/ネパール国政府
プロジェクト名 ネパール国シンズリ建設計画 第二工区斜面対策
実施期間 2010-2014
プロジェクト内容 ネパールのシンズリ道路は、首都カトマンズ近郊と南部の穀倉地帯を結ぶ重要な幹線道路で、日本は1996年より無償資金協力によって建設が開始された。中でも特に高低差が大きく、自然環境が厳しい山岳地帯にある第二工区では、道路下部の斜面で小規模に地すべり、斜面崩壊が発生しており、道路機能の維持に支障が生じる恐れがった。このため、グラウンドアンカー工、ロックボルト工、押え盛土工により地すべり・斜面崩壊対策を実施し、安全な交通の確保に寄与した。
日本工営の業務 フィージビリティスタディ、詳細設計、施工監理
法枠工の施工状況
ネパール人によるロックボルトの施工状況
アンカー工の施工状況
施工状況 全景
国名 ネパール
発注者 国際協力機構(JICA)/ネパール国政府
プロジェクト名 ネパール国シンズリ道路震災復旧計画
実施期間 2017-2021
プロジェクト内容 我が国の無償資金協力により2015年3月に完工したシンズリ道路において、完工直後の2015年4月25日に設計上の想定を上回るマグニチュード7.8のネパール地震が発生したことで、道路の沈下、亀裂、斜面の一部崩壊等25箇所が想定外の被害を受けたことが確認された。このため、シンズリ道路の被害箇所の本格的な復旧を実施するため、「シンズリ道路震災復旧計画」の準備調査が実施され、全線を対象とした路面の踏査(1次スクリーニング)、ガビオン擁壁谷側形状の横断測量等による詳細調査(25箇所)、ガビオン擁壁の安定計算、計測ピンによるモニタリング、数値解析による損傷メカニズムの把握、自然条件調査(測量・地質調査・計器観測)を実施し、本邦技術が必要となる5か所に対して、概略設計、積算を実施した。無償資金協力「シンズリ道路震災復旧」においては、ガビオン擁壁の補強、地すべり・崩壊田策を実施した。
日本工営の業務 フィージビリティスタディ、詳細設計、施工監理
ガビオン擁壁のアンカー工による補強
ネパール人によるロックボルトの施工状況
アンカー工の施工状況
グラウンドアンカー工によって補強されたガビオン擁壁
国名 ホンジュラス
発注者 国際協力機構(JICA)/ホンジュラス国政府
プロジェクト名 ホンジュラス国国道六号線地すべり防止計画
実施期間 2018-2022
プロジェクト内容 ニカラグア国首都マナグアとテグシガルパを結ぶ最短路線である国道6号線はホンジュラスの物流ルートとなっている。しかしながら資金的・技術的な問題から3箇所の地すべりが未対策のままであった。いずれも地すべり頭部が道路側に後退してきており、路体崩壊に至った場合には、長期間の通行止めとなる可能性が高く、喫緊の対応が必要となっていた。そのため現地調査結果から、地すべり対策工としてアンカー工(120本)、明暗渠工(500m)、置換工(2,700m3)、鋼管杭工(78本)及び補強土壁工(700m2)をそれぞれの地すべり箇所に対して実施した結果、地すべりに伴う道路損傷及び通行阻害のリスクがなくなり、交通機能が維持された。
加えて、本事業で整備された施設の維持管理を含め、地すべり管理に係る技術指導を行うことを目的に、2018年7月、2019年3月、及び2019年12月の3期に分け、ソフトコンポーネントを実施した。
日本工営の業務 フィージビリティスタディ、詳細設計、施工監理、ソフトコンポーネント
アンカー工削孔状況
暗渠管設置状況
鋼管杭設置状況
補強土壁設置状況
国名 エクアドル
発注者 国際協力機構(JICA)
プロジェクト名 土砂災害リスク減少能力向上プロジェクト
実施期間 2021-2025
プロジェクト内容 エクアドルの首都キト市は周囲をアンデス山脈に囲まれ、標高約2,850mの限られた平坦地に約280万人が暮らしています。キト市では近年の人口増加に伴い、宅地・開発エリアが山側に拡大し、2006年から2019年の間に約2,000件の土砂災害が市内で発生しました。そのため、土砂災害の技術的責任機関である地質・エネルギー調査庁と、対策の実施機関であるキト市役所の土砂災害対策に係る能力強化を目標に技術協力を行っています。
プロジェクトでは、①調査・分析能力の向上、②ハザード分析・リスク評価能力の向上、③土砂災害に特化した早期警戒体制の構築、④土地利用規制/開発基準の策定、の4つの成果達成に向けた活動を行っています。①での危険個所の特定では、従来の地形図や空中写真を用いた地形判読に加えて、AIや衛星画像・ドローンの先端技術を用いた地形解析技術の指導を行っています。②では日本の土砂災害防止法(いわゆるイエロー・レッドゾーン)の手法をエクアドルに適した形に応用して、土砂災害の危険性のある区域を設定しようとしています。また、④では危険個所での不適切な開発に歯止めをかけるため、危険区域での住宅等の新規建設の抑制や土地利用/開発のための基準・指針策定に取り組んでいます。
日本工営の業務 政府職員への技術指導、セミナー・ワークショップの開催、ガイドライン・マニュアル・指針の策定支援、現地研修の実施支援、本邦研修の実施等
2022年1月にキト市内で発生した土砂災害に対するキト市職員との現地調査
作成した3D地形図を用いた土砂災害発生機構の検討
ドローンを用いたハザード分析の現地ワークショップ
日本工営の職員による地形図判読指導
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