流域水工
水は地球上を循環する貴重な資源として、生物の命を育み、豊かな自然環境を形成してきました。しかし近年では、洪水・高潮・渇水・水質汚濁・自然環境の喪失など、水に関する多様な課題が顕在化しています。さらに、南海トラフ地震などの大規模災害や施設の老朽化も社会的な懸念となっています。
これからの時代には、健全な水循環系を構築し、安全・安心で持続可能な社会と環境の共生が求められます。
私たちは、流域・水に関わる技術者が分野を越えて連携し、幅広い経験と専門技術を活かして、地域の課題解決と未来の環境保全に寄与する取り組みを進めながら、健全な水循環系の構築と安全・安心な社会づくりに貢献する技術をトータルで提供します。
主な技術サービス
近年、洪水や高潮、津波など「水」に関わる災害が頻発し、私たちの暮らしや社会基盤に大きな影響を与えています。また、土木施設の老朽化や耐震性の確保といった課題も顕在化しており、安全で安心できる社会の形成には、これらへの的確な対応が求められています。
そこで、私たちは、河川に関する多様なニーズに応じた調査・計画・設計を通じて、地域の防災力向上と持続可能な社会づくりに貢献しています。
毎年、全国各地で土石流などの土砂災害が頻発し、多くの地域で人命・財産が脅かされています。それらを未然に防ぐため、砂防堰堤などの施設整備とともに、既存の砂防施設の点検・診断、補修・改良といった数多くの砂防事業が進められています。
そこで、私たちは砂防事業に関する多様なニーズに応じた点検・調査-計画-設計を通じて、安心・安全な社会づくりに貢献しています。
環境保全、安全・安心で安定した社会基盤の形成を理念として、水田・畑の圃場整備及びかんがい計画、農地・農村を主とした地域の排水計画や農村地域の環境整備を目的とした事業計画を行っています。
圃場整備、ため池、ファ-ムポンド、ポンプ場、用排水路(開水路、パイプライン等)等に係わるストックマネジメント計画及び実施設計を行い、農業・農村の発展に貢献しています。
私たちは、港湾や河口域などの水域における環境調査、深浅測量、施設維持管理の技術サービスを通じて、安全・安心で持続可能な社会づくりに貢献します。
環境分野では、水質・底質・生物調査に加え、藻場・干潟の分布調査を通じて、カーボンニュートラルの推進を支援します。 測量分野では、深浅測量により船舶の安全な航行に資する水深データを提供しています。
施設維持管理分野では、港湾・漁港・海岸保全施設等の老朽化対策として、点検・診断・補修・補強設計および維持管理計画の策定を行い、施設の安全な利用を支えています。
主な事業実績
| 都道府県 | 三重県 |
|---|---|
| 発注者 | 国土交通省 中部地方整備局 木曽川下流河川事務所 |
| プロジェクト名 | 令和6年度 木曽川下流管内築堤護岸詳細設計業務 |
| 実施期間 | 2024~2025 |
| プロジェクト内容 |
木曽川水系の高潮堤区間において、堤防嵩上詳細設計、築堤詳細設計、BIM/CIM活用検討を実施しました。 堤防嵩上詳細設計では、地震による沈下後の堤防高を整理したうえで、平均年最大規模相当の高潮に対応することを目標とし、上下流の整備状況を踏まえた嵩上げ高を設定しました。嵩上げ断面は、早期の効果発現と既施工区間との整合を図るため、川裏法面を延伸する形状としました。 築堤詳細設計(高潮堤防)は、軟弱地盤上で盛土高も大きいため、軟弱地盤対策を比較検討し、工事費用や施工期間の制約を考慮した上で選定しました。また、施工区間は、近接する鉄道橋梁に影響のない区間を対象としました。 この築堤詳細設計区間において出来上がり全体イメージや設計終点の取付形状などの特定部、施工ステップの確認を目的として、BIM/CIMモデルを作成しました。 |
| 当社の役割 | 嵩上げ高の諸元の決定、施工計画・仮設計画の検討、既設構造物への影響検討、BIM/CIMモデルの作成 |
| 都道府県 | 静岡県 |
|---|---|
| 発注者 | 国土交通省 中部地方整備局 富士砂防事務所 |
| プロジェクト名 | 令和6年度 富士砂防管内砂防施設詳細設計業務 |
| 実施期間 | 2024-2025 |
| プロジェクト内容 |
富士山南西野渓の滝川において、砂防施設(遊砂地工)の予備設計及び詳細設計を実施しました。 予備設計では、複雑な地形条件を考慮した施設配置や対策工の形式(遊砂地工や沈砂地工など)を比較検討し、最適案として施設効果が高く、地形の改変や周辺道路などへの影響が少ない位置において、遊砂地工を選定しました。 詳細設計では、降雨・噴火対策それぞれの設計流量に対する水通し断面の設定、砂防ソイルセメントによる堰堤本体及び導流堤、流木対策工の設計を行いました。 設計にあたっては、現況地形との取付や周辺道路への影響を把握し、出来上がりイメージを可視化するための3次元モデルを作成するとともに、富士山との景観性に配慮し、広域の地形モデルを作成しました。 また、施工計画の検討において、施工ステップごとに仮設工や土工を加えた4Dモデルを作成しました。 |
| 当社の役割 | 砂防施設の配置検討、施設設計、施工計画及び仮設構造物設計、BIM/CIMモデルの作成 |
| 都道府県 | 福岡県 |
|---|---|
| 発注者 | 水資源機構 筑後川下流用水事務所 |
| プロジェクト名 | 総合対策 筑後導水路荒木・三潴地区 管水路更新実施設計業務 |
| 実施期間 | 2024-2025 |
| プロジェクト内容 |
久留米市内の筑後導水路の更新対象のうち荒木・三潴地区の区間について、管水路更新、分水工改修の実施設計を行いました。 管水路更新設計では、通水阻害事例から水理状況を検証する水理検討、管更新とする工法の選定、適切な管材・口径及び管厚及び耐震性を有する構造検討、地区の周辺環境を考慮した施工計画及び仮設計画の検討等を実施しました。 各圃場地域に配水する分水工改修については、制水弁・流量計等の更新及び管水路拡径を目的とする分水工施設の規模検討、制水弁等の付帯構造物の選定を実施し、分水工内の電気設備や局舎の移設に伴う通信設備の撤去・復旧設計を実施しました。 |
| 当社の役割 | 管水路の更新設計、施工計画及び仮設計画の検討、分水工の改修設計、電気設備及び通信設備の撤去復旧設計 |
| 都道府県 | 愛知県 |
|---|---|
| 発注者 | 国土交通省 中部地方整備局 三河港湾事務所 |
| プロジェクト名 | 令和6年度中山水道航路管理測量 |
| 実施期間 | 2024~2025 |
| プロジェクト内容 |
中山水道航路は三河湾に出入港する船舶にとって重要な航路です。船舶が安全に航行するためには、正確な水深の把握に基づく航路水深の維持が必要になります。特に大型舶は喫水(船底から水面までの深さ)が深いため、浅瀬や障害物の存在は重大な事故につながります。 当プロジェクトは、中山水道航路において、マルチビーム測深機を用いて、水深を把握するため管理測量を実施したものです。得られた点群データを基に水深のメッシュデータや等深線図を作成し、航路の現況を報告しました。 |
| 当社の役割 | 調査・解析 |
| 都道府県 | 三重県 |
|---|---|
| 発注者 | 国土交通省 中部地方整備局 木曽川下流河川事務所 |
| プロジェクト名 | 令和6年度木曽三川下流部水環境調査 |
| 実施期間 | 2024-2025 |
| プロジェクト内容 |
木曽三川(長良川、揖斐川、木曽川)の下流部においては、平成7年7月より長良川河口堰が運用開始されました。また、その後、平成20年5月からは上流部で徳山ダムが運用開始されました。 本プロジェクトは木曽三川の下流部において、長良川河口堰や徳山ダム等の運用に伴う環境への影響及び適切な管理運用を行うため、水質、底質、生物等の環境モニタリング調査を実施したものです。 また、得られた調査結果から木曽三川下流部の河川環境の現況について、解析・検討・評価を行いました。これらの結果は長良川河口堰や徳山ダムの運用に係る委員会や検討会等の基礎資料として活用されます。 |
| 当社の役割 | 水質・底質・生物調査、解析、評価の実施 |