上下水道
近年、地震や集中豪雨による浸水等の都市災害が頻発しており、上下水道施設の地震対策及び都市浸水対策が進められています。また、公共用水域の水質改善や道路陥没等の影響が大きい事故を未然に防ぐため、普及が遅れている地域の普及促進や高度処理の導入、合流式下水道の改善、老朽化施設の改築・更新の対策が求められています。
また、全国的な少子高齢化に伴う人口減少及び節水意識の高まりによる使用量の減少に伴い、上下水道事業の運営状況も厳しい時代になりました。
これらの社会ニーズに的確に対応するとともに自治体のアドバイザーとして、生活環境を改善し、地球環境にやさしく安全・安心なまちづくりを目指し、上下水道プロジェクトの構想、各種調査、計画設計、施設設計、施工管理、台帳システムの作成及び事業経営に関する総合的なサービスを提供します。
主な技術サービス
全国的に老朽化施設が増加傾向にあり、それに伴って施設の劣化、損傷に伴う事故が増加傾向にあることから、持続的な機能確保のため、計画的な維持管理・改築事業の実施が必要です。
上下水道施設や設備について、既存の状態を確認し、診断を行うとともに診断結果に基づいて健全度を判定し、判定結果に基づいて改築・更新計画の策定を実施しています。
また、各自治体における財政状況を踏まえて、効率的な運用となるように適切な時期に改築・更新を行うストックマネジメント計画を検討しております。
さらに、作成した計画に基づいて、既存施設や設備の改築・更新設計を実施しています。
上下水道分野では、老朽化施設の増大、使用料収入減少、下水道職員の不足等の課題があります。このような状況への解決策の一つとして、民間企業のノウハウや創意工夫を活用した官民連携(PPP/PFI手法)の活用が挙げられます。
このような中で調査・計画・設計等の一般業務の枠を超えて、一定の裁量権を持つ経営判断・経営計画・業務管理分野の業務について包括的に支援を行います。
わたしたちは業務を通じて、各自治体における持続可能なサービスの提供や事業の更なる効率化を支援致します。
上下水道施設が被災した場合、公衆衛生問題や交通障害の発生ばかりか、トイレの使用が不可能となるなど、住民の健康や社会活動に重大な影響を及ぼします。 下水道施設は他のライフラインと異なり、地震時に同等の機能を代替する手段がないにもかかわらず、膨大な施設の耐震化が完了していません。
わたしたちは、重要な施設の耐震化を図る「防災」、被災を想定して被害の最小化を図る「減災」を組み合わせた総合的な地震対策のお手伝いをしています。
汚水管路整備へのデザイン・ビルドは、下水道未普及解消に向け、厳しい財政状況、経験豊富な職員の減少等の社会状況の変化を踏まえ、早期概成を推進するために、新たな発注方式として期待されています。 弊社も民間事業者の創意工夫を積極的に提案し、効率的な整備手法を提案し、下水道施設の設計・施工と水洗化促進活動を一体的に実施することで、短期間での普及促進に寄与していきます。
下水道の施設計画を超過する降雨時においても、被害を最小化させるため、ハード整備とともに、ソフト施策を推進・強化することが重要です。 国は下水道による浸水対策を実施するすべての自治体等において内水浸水想定区域図の作成と公表を推進しています。
弊社では浸水被害対策区域における雨水貯留浸透施設整備計画等、官民連携した浸水対策の提案および内水ハザードマップ作成について協力いたします。
下水道事業は、住民に不可欠なサービスを安定的に供給する役割を有しており、多額の設備投資を必要とすることから中・長期的観点に基づいた計画的な経営を推進することが不可欠です。
どの自治体も財政全体が厳しい状況であり、今後も下水道事業を実施しながらも下水道施設の維持管理も行っていくためには下水道事業に係わる経費及び財源の見通しの把握が重要となります。
そのために、下水道事業を取り巻く環境の変化への対応に伴う投資・財政計画の見直しや地方公営企業法の適用に伴う財政シミュレーションの改定等、計画内容の見直しを提案・実施いたします。
主な事業実績
| 都道府県 | 愛知県 |
|---|---|
| 発注者 | 東浦町 |
| プロジェクト名 | |
| 実施期間 | 平成30年~令和元年、令和6年~令和7年 |
| プロジェクト内容 |
下水道施設の管路施設及びポンプ場施設について、ストックマネジメント計画の策定及び策定した計画の見直しを実施しました。 各業務において、施設の機能診断に基づいて健全度評価を実施し、改築・更新の方針を検討しています。さらに、効率的な更新や維持管理が可能となるように、今後の修繕・改築計画や点検・調査計画を策定しています。 本業務では、既存設備の更新時期及び劣化状況を踏まえて、長寿命化及び更新の判断を行い、町の財政状況に適した計画立案を行いました。 |
| 当社の役割 | 施設の機能診断・調査、ストックマネジメント計画策定、関係機関協議 |
| 都道府県 | 大阪府 |
|---|---|
| 発注者 | 大阪市 |
| プロジェクト名 |
|
| 実施期間 | 令和5年~令和7年 |
| プロジェクト内容 |
大阪市における処理場・ポンプ場において、浸水等に伴う機能停止が発生しないように耐水化対策を実施するための詳細設計を行いました。 現地調査により、開口部や逆流が考えられる箇所及び吹き上がり箇所の確認を行い、対策案を検討しました。 施設の耐水化にあたって、開口部の閉塞や躯体の増し打ち等が必要であったため、支障となる配管や設備等の移設も含めて設計しました。 |
| 当社の役割 | 現地調査、耐水化の基本方針の整理、耐水化詳細設計、関係機関協議 |
| 都道府県 | 静岡県 |
|---|---|
| 発注者 | 伊豆の国市 |
| プロジェクト名 |
|
| 実施期間 | 平成30年~令和2年 |
| プロジェクト内容 |
下水道の未普及地域を解消するため、国が勧める官民連携事業を活用した方式である「設計施工一括発注方式(デザインビルド一括発注方式)」を採用し、下水道整備を行い持続的な汚水処理システムの早期構築を目指すための発注等支援を実施しました。 業務の中では、事業実施に向けたスケジュール、実施方針(案)、各種契約書(案)、事業者選定基準の検討、リスク分担(案)、要求水準書(案)などの作成を行いました。 DB一括発注方式を行うにあたり、過年度に実施された対象地区の基本設計時の事業費を一部見直し、業務期間中に行われた建設工事業者への説明資料及び説明会へも参加し、発注等の支援を実施しました。 また、契約事業者が提案書等に書かれた事項が確実に対応できているかモニタリングを行うとともに、発注者と事業者が行う定例会議に業務の一環として参加しました。 |
| 当社の役割 | 発注者支援、モニタリング |
| 都道府県 | 岐阜県 |
|---|---|
| 発注者 | 瑞穂市 |
| プロジェクト名 | |
| 実施期間 | 令和4年~ |
| プロジェクト内容 |
瑞穂市では汚水管路施設の整備にあたり早期の普及拡大、整備費用の削減 だけでなく、様々な水洗化促進活動を展開し、短期での水洗化率向上を目図るために、瑞穂処理区(98ha)の汚水管路施設について、設計・施工一括発注方式により創意工夫を積極的に取り入れ、効率的な整備を行うことを目的とし、管路施設の詳細設計及び工事監理業務を行いました。 |
| 当社の役割 | 管路施設実施設計、施工管理 |
| 都道府県 | 静岡県 |
|---|---|
| 発注者 | 静岡市 |
| プロジェクト名 |
|
| 実施期間 | 令和5年~令和7年 |
| プロジェクト内容 |
静岡市の下水道総合計画に基づき、管路施設に対して耐震診断をレベル1、2地震動について実施し、耐震性のない管路施設に対して耐震対策工法を検討しました。 また、現地調査としてマンホール調査、コンクリート圧縮強度試験及び中性化試験を実施し、耐震診断を実施しました。 耐震診断はマンホールと管渠の接続部、管きょと管きょの継手部、管きょ本体、マンホールの本体、マンホール本体の浮き上がりについて検討し、対策が必要となった施設に対して対策工法の選定を実施しました。 |
| 当社の役割 | 現地調査、耐震実施設計 |
| 都道府県 | 愛知県 |
|---|---|
| 発注者 | 西尾市 |
| プロジェクト名 | |
| 実施期間 | 令和4年~令和5年 |
| プロジェクト内容 |
西尾市の下水道における浸水対策を実施する上で、短期・中期・長期にわたる浸水対策を実施すべき区域、目標とする整備水準、施設整備の方針等の基本的な事項を定める雨水管理方針を策定しました。 流出解析モデルを使用し、キャリブレーション・シミュレーションの結果から浸水リスクの想定を行い、地域ごとの浸水要因分析を行いました。 雨水対策の優先順位の検討として、排水区ごとの想定浸水被害額及び地域の重要度(避難所等の箇所数)をマトリクスにてリスク評価を行い、重点対策区域、一般地区に分類しました。 リスク評価結果及び財源等に応じた概略整備対策可能量を勘案し、段階的な対策方針の策定を行い、雨水管理方針マップを作成しました。 |
| 当社の役割 | 雨水管理計画、段階的整備計画、浸水シミュレーション |
| 都道府県 | 愛知県 |
|---|---|
| 発注者 | 北名古屋市 |
| プロジェクト名 | |
| 実施期間 | 令和4年~令和5年 |
| プロジェクト内容 |
流域関連公共下水道事業において、将来にわたり安定的に事業を継続していくための方針を定めた経営戦略を策定しました。また、下水道使用料の改定に向けての適正な使用料収入及び料金体系の検討を行いました。 経営戦略では、下水道事業における経営状況を把握し、財政収支の長期的な見通しを立てたうえで想定される課題を抽出し、その対策としての施策案を立案しました。 課題としては、新規整備事業(汚水未整備地区の整備及び雨水浸水対策による貯留施設整備等)や既存施設の改築更新事業による投資増大が発生する中で人口減少等による下水道使用料の収入減少が懸念されることであり、施策案としては、将来の投資の平準化を目的にストックマネジメント計画の確実な実施による支出抑制及び水洗化率向上や下水道使用料改定の実施による適正な収入確保を施策案として提案しました。 |
| 当社の役割 | 経理戦略、需要予測、使用料改定案作成 |