都市交通
近年のまちづくりを取り巻く環境は、急速な人口減少や少子高齢化の進展、大規模災害の発生リスクの高まりなど、多様な課題への柔軟な対応が求められています。こうした状況の中で、「都市構造の再編とコンパクト・プラス・ネットワーク」、「ウォーカブルな都市空間の形成」、「次世代交通システムの導入検討」、「持続可能性とウェルビーイングの重視」といったキーワードを軸に、地域の特性を活かした持続可能なまちづくりの推進が求められています。
私たちは、全国ネットワークを有するまちづくりの専門集団として、まちづくりの制度設計から都道府県・市町村の各種マスタープランの策定、地域公共交通の再構築に向けた検討・計画立案、人流データ等を活用した交通政策の企画・検討、スマートシティや物流拠点の形成、さらには地区レベルでの課題解決まで、実現性の高い提案を通じて、計画策定・事業化検討・合意形成支援を行い、地域の要請に応じたまちづくりの実現を支援します。
また、震災や水害などの災害対応においても、これまでの経験を活かし、各種防災に関連する計画、地域の防災・減災に関する取組、迅速な復旧・復興に向けたまちづくりを支援します。
主な技術サービス
地域の実情は多様であり、都市づくりに必要な課題や対応策も、時代とともに変化しています。特に近年では、人口減少や社会経済情勢の変化、激甚化する自然災害への対応として、防災・減災による安全・安心の確保が求められています。そのため、都市づくり・まちづくりの考え方や手法も、柔軟に進化させる必要があります。
私たちはこれまで、国際競争力の強化や地方都市の再生に向けて、都市計画や市街地整備に関する制度改善・手法の検討、広域的な都市計画の方針(都市基本方針や都市計画区域マスタープラン等)の策定支援、さらには東日本大震災の復興手法の検討などに取り組んできました。
今後も、制度改善や新たな手法の創出に向けた調査・検討の支援を重ね、持続可能で質の高い都市づくり・まちづくりに貢献していきます。
少子高齢化の進展により、免許返納者の増加や公共交通の担い手不足が課題となっており、その解決策としてライドシェア、地域住民による運行支援、自動運転車両の導入等の取り組みが不可欠になっています。また、将来的には、このような取り組みは一般的になることが予想されます。
こうしたなか、私たちは地域課題の解決方法のひとつとして、自動運転をきっかけとした新たな交通まちづくりを進めることで、地域の持続性や活性化に向けたまちづくりを支援します。具体的には、自動運転の導入に向けて、行政・交通事業者・住民など関係者間の合意形成、計画策定、実証実験の実施、モニタリングを通じて地域課題の解決を支援します。
近年、気候変動や異常気象の増加、都市化・土地利用の変化などの影響により、自然災害が激甚化・頻発化しています。特に、台風・豪雨・土砂災害・洪水などの自然災害は、これまでの想定を超える被害をもたらすケースが増加しており、さらに南海トラフ巨大地震の発生も懸念されていることから、自治体や企業には迅速な対応と被害軽減策の強化が求められています。
私たちは、防災・減災まちづくりの支援に向けて、災害リスクの可視化や情報提供方法の検討、防災計画・避難計画等の策定支援、事前復興まちづくりの検討、防災訓練や防災ワークショップの企画・運営、地域住民との協働による防災力向上支援などを通じて、防災・減災力の向上に繋がるサービスを提供します。
主な事業実績
| 都道府県 | 群馬県 |
|---|---|
| 発注者 | 安中市 |
| プロジェクト名 | 都市計画マスタープラン策定業務 |
| 実施期間 | 2023-2025 |
| プロジェクト内容 |
都市計画マスタープランの改定にあたり、社会情勢の分析、都市の現状分析、上位・関連計画の整理に加え、庁内関係各課へのペーパーヒアリングによる現行計画の評価・検証、市民および高校生を対象とした意向調査、地区別に実施したワークショップの結果等を総合的に踏まえ、都市づくりの課題を整理しました。 また、将来の都市づくりの方向性として、人口減少・少子高齢化などの社会情勢の変化や、立地適正化計画および地域公共交通計画の策定を見据え、コンパクト・プラス・ネットワークの実現に向けた将来都市像と将来都市構造を構築しました。その上で、分野別方針、地域別方針、実現化方策により改定計画(案)を作成しました。 |
| 当社の役割 | 分野別方針・地域別方針及び実現化方策により改定計画(案)の作成、庁内検討会議、策定委員会及び都市計画審議会の運営支援、説明会・オープンハウス(ポスターセッション)及びパブリックコメント支援 |
| 都道府県 | 高知県 |
|---|---|
| 発注者 | 土佐市 |
| プロジェクト名 | 土佐市立地適正化計画改定業務 |
| 実施期間 | 2023-2025 |
| プロジェクト内容 |
目標値に関する評価・検証、人口動向や都市機能の分析、社会経済情勢の変化に着目した更新を行うとともに、公共交通との連携や公的不動産の活用などを位置づけ、平成30年度に策定された土佐市立地適正化計画の改定支援を行いました。 さらに、令和2年9月に施行された改正都市再生特別措置法に基づき、防災指針の作成を行いました。作成にあたっては、各種ハザード情報や避難所などの都市情報を重ね合わせて災害リスク分析を行い、地域ごとの課題を整理しました。そのうえで、防災に関する取組方針や具体的な取組内容を踏まえ、区域の見直し検討と評価指標の設定を行いました。 更新版の計画については、高知河川国道事務所や高知県との協議、庁内会議、都市計画審議会等の意向を反映させた計画として取りまとめを行いました。 |
| 当社の役割 | 目標値に関する検証、GISを活用した人口や都市機能の動向分析、防災指針の作成、高知河川国道事務所や高知県との協議支援、庁内会議・都市計画審議会等の運営支援 |
| 都道府県 | 沖縄県 |
|---|---|
| 発注者 | 宜野湾市 |
| プロジェクト名 | 第五次宜野湾市総合計画等策定支援業務 |
| 実施期間 | 2023-2025 |
| プロジェクト内容 |
「第四次宜野湾市総合計画」及び「第二期宜野湾市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の計画期間が令和6年度で終了することから、市を取り巻く社会情勢の変化等を踏まえ「第五次宜野湾市総合計画」等の策定を行いました。 業務においては、まちづくりの課題や今後の取組の方向性等の検討、市民アンケート調査、第四次宜野湾市総合計画で位置づけた施策の進捗状況や目標指標の達成状況について評価・検証を行いました。 これらの基礎資料を基に、基本構想、前期基本計画及び次期まち・ひと・しごと創生総合戦略の素案を検討し、担当課ヒアリング、策定委員会、振興計画審議会、パブリックコメントを経て、「第五次宜野湾市総合計画(案)」を作成しました。 |
| 当社の役割 | 基本構想・前期基本計画及び次期まち・ひと・しごと創生総合戦略の素案作成、健康・福祉、子育て・教育や産業等の分野別の現況整理および社会動向の整理、市民アンケート調査の実施・解析、各担当課へのペーパーヒアリング調査、策定委員会及び振興計画審議会の運営支援 |
| 都道府県 | 三重県 |
|---|---|
| 発注者 | 三重県 |
| プロジェクト名 | 三重県都市計画区域マスタープラン策定支援業務 |
| 実施期間 | 2017-2020 |
| プロジェクト内容 |
2017年度に「三重県都市計画基本方針」、2018年度に「圏域マスタープラン」、2019年度に「都市計画区域マスタープラン(案)」を作成し、2020年度には都市計画手続きを進めました。 県内5圏域(北勢・中南勢・伊勢志摩・伊賀・東紀州)において圏域マスタープランを策定するとともに、区域全体のマスタープランでは地域特性の反映に留意しつつ、各圏域の目標実現に向けた各種都市計画の方針について、市町の意見を反映しながら、必要な施策等の検討を行いました。 また、併せて実施した区域区分の定期見直し(5区域)に必要な資料を作成し、都市計画手続きを進めました。さらに、災害ハザードの重ね図を作成し、災害ハザードに対する都市計画上の対応方策を検討・整理するとともに、これらの成果は、市街化調整区域における地区計画ガイドラインの検討に向けた基礎資料としても整理しました。 |
| 当社の役割 | 目標指標の検討、各マスタープランの素案作成、県内市町の担当者を対象とした県市町検討会議・学識経験者により構成される策定検討幹事会や圏域毎の策定検討委員会の開催支援、関連するガイドライン等の素案検討 |
| 都道府県 | 宮崎県 |
|---|---|
| 発注者 | 西米良村 |
| プロジェクト名 | |
| 実施期間 | 2023-2024 |
| プロジェクト内容 |
西米良村営バス(自家用有償運行・貨客混載事業あり)において、一部時間帯の区域(デマンド)運行化、介護福祉送迎による福祉MaaSの実装、事業者等による配達を担う買い物支援の実装などに関する共創モデル実証プロジェクトの支援を行いました。 事前周知、利用登録案内、ダイヤ改正等の周知資料やバス停時刻表の作成、幟・案内板の作成・設置を実施するとともに、福祉連携として、デイサービス事業者へのヒアリングと送迎実証運行、社会福祉協議会へのヒアリングと普及啓発を目的とした送迎実証運行を実施し、課題と今後の方向性を整理しました。 買い物支援連携としては、事業者へのヒアリングを通じて支援方法や配達システムの検討を行い、ECサイトの構築、配達実証運行を実施し、課題と方向性を整理しました。 あわせて、村・システム会社等による週1回〜月1回の定例会議を開催しました。 |
| 当社の役割 | 運行形態・ダイヤ・料金、ラッピングデザイン、予約システム及び会員規約の検討、バス停データ構築、運転手・オペレーター体制構築補助、利用状況等把握、ダイヤ改正、新規停留所設置及び待合環境整備 |
| 都道府県 | 三重県 |
|---|---|
| 発注者 | 伊勢市 |
| プロジェクト名 | 令和6年度 まちなかウォーカブル実施計画作成等業務 |
| 実施期間 | 2024-2025 |
| プロジェクト内容 |
ウォーカブル推進都市である伊勢市において、伊勢市駅前商店街のウォーカブル空間整備を目指した社会実験の実施および実施計画策定業務、ならびに伊勢市内におけるウォーカブル空間整備の実施可能性が高い地区を候補として抽出する可能性調査業務を行いました。 社会実験は8月及び10月の2回、各3日(金・土・日)にわたり実施しました。社会実験では、来訪者や沿道店舗のウォーカブル空間に関する感想・意向の把握、曜日・時間帯による来訪者の滞在の変化を把握しました。また、滞在スペースの実施計画を作成し、地元商店街と市で構成するワーキンググループを開催しました。 さらに、可能性調査では道路の現状や地域の取組み意向等を勘案した10の視点から3地区を市内のウォーカブル実施候補地区として抽出し、事業概要案を作成しました。 |
| 当社の役割 | 社会実験の実施支援、来訪者へのアンケートや出店・沿道店舗へのアンケート、通行量調査、滞在スペースにおける利用形態調査、ワーキンググループの運営支援、実施計画の作成、事業概要案の作成 |
| 都道府県 | 愛知県 |
|---|---|
| 発注者 | 海部郡飛島村 |
| プロジェクト名 | |
| 実施期間 | 2022-2023 |
| プロジェクト内容 |
飛島村において、高潮による災害発生時の人的被害を防ぐため、地域住民等に対して浸水被害状況などの情報を分かりやすく提供することを目的に、A1サイズ(両面)の高潮ハザードマップを作成しました。 ハザードマップの作成にあたっては、愛知県が解析した最新の高潮データおよび地域防災計画などの防災関連上位計画に基づくことを基本とし、掲載する関連情報(学習情報、啓発情報など)については、最新の知見や資料を参考に作成しました。 また、「水害ハザードマップ作成の手引き」を参照し、イラストを効果的に活用することで、住民が災害について理解しやすい内容となるよう配慮しました。 愛知県高潮浸水想定区域については、飛島村の地域性に留意し、室戸台風規模・堤防等決壊の設定条件をメインに表示し、伊勢湾台風規模・堤防決壊なしの設定条件による高潮浸水想定区域データは小枠で表示しました。 |
| 当社の役割 | ハザードマップの作成支援、掲載関連情報の整理、イラスト作成、データ整理・図化 |
| 都道府県 | 熊本県 |
|---|---|
| 発注者 | 菊池郡大津町 |
| プロジェクト名 | |
| 実施期間 | 2022-2024 |
| プロジェクト内容 |
現在のJR肥後大津駅周辺を取り巻く環境としては、隣接する菊陽町への世界的半導体メーカーの進出、JR豊肥本線から阿蘇くまもと空港へ向かう空港アクセス鉄道の分岐ルートの検討、南阿蘇鉄道の肥後大津駅への乗り入れなどが挙げられます。特に平成28年熊本地震以降、駅周辺のさらなるにぎわい創出が課題となっていました。 そこで、第6次大津町振興総合計画などの上位・関連計画における位置づけや地区の現況を踏まえ、将来像や導入機能について、「肥後大津駅周辺まちづくり会議」(庁内プロジェクトチーム会議、ワーキンググループ、有識者チーム)での議論を中心に検討を進めました。 駅直近の空間だけでなく、駅周辺を含む「駅まち空間」の再編やウォーカブルな空間創出に向けた検討を行うとともに、目指す空間イメージをパースやイラストを活用して具現化し、最終的にまちづくり基本構想として取りまとめました。 |
| 当社の役割 | 基本構想の検討、各種会議の運営支援、イメージパース・イラスト作成 |