用地補償
都市の進化や環境の変化に伴う用地補償は、用地アセスメント調査をはじめ綿密かつ計画的なマネジメントが求められます。用地補償分野は新しいプロジェクトが地域社会にポジティブな影響を与えるよう、公正かつ効果的な補償策を提案しています。持続可能な都市空間の構築に向け継続的な進化と創造性を発揮しています。
都市整備事業等の効果の早期発現には、事業期間に占める割合が大きい用地の取得期間をいかに計画的に進行させるかが重要になります。当社は、補償コンサルタントの全8部門の登録を受けており、都市整備が円滑に実施されるよう、用地リスク等の現地情報収集に基づく補償計画から誠意ある地権者への用地交渉までの一連の用地事務をワンストップ対応により実現します。
また、昨今の用地補償は、権利の複雑化、営業形態の多様化、住民意識の高まり、新たな環境問題など、ますます困難になりつつあります。補償業務管理士、建築士、不動産鑑定士等の専門家を中心に広範な知識と積み重ねた経験と技術力により、お客様の街路事業や土地区画整理事業、再開発事業などの都市空間の構築に対して、計画的かつ良心的な対応をもってコンサルティングします。
主な技術サービス
公共事業等を施行するために必要な、用地測量から地質調査、用地幅打設、建物等の調査算定から用地協議サポートまでの業務をトータル的に行います。一般住宅はもとより、商業ビル、大規模工場、ホテル等あらゆる物件の調査実績があります。
機械工作物については、工場内にある、機械設備、生産設備の性能、製造工程、工場内動線等を把握し、合理的な移転工法の提案及び算定を行います。
営業補償については、工場、店舗が事業により営業の休止や規模縮小、廃止が余儀なくされた場合、営業補償が発生します。弊社は、高度な専門知識と豊富な経験で営業補償の調査算定を行います。
墳墓調査については、墓地移転に関する業務は、墓地委員会の設置から「墓埋法」等に準拠して行う改葬までの事務及び調査、補償金算定等をトータル的にサポートします。
土地区画整理事業、再開発事業に伴う補償業務は、根拠法の違いから他の公共事業の補償と一部異なる部分があります。弊社は、長年の土地区画整理事業における実績があり、補償基準作成から移転計画、調査算定、補償契約・移転工事完了までワンストプ対応でマネジメントします。
建物等の移転は、建物等所有者の理解と協力が必要となりますので、誠意を持った対応にて補償交渉を実施しました。しかし、必ずしも皆様の協力がいただけるとは限りません。建物等の移転が出来ないと工事が遅れ、しいては事業全体が滞ることとなります。協力をいただくため事業施行者はあらゆる誠意ある対応をしなければなりませんが、同意いただけない場合もあります。そのような場合、土地区画整理事業では事業施行者が直接建物等を移転させる方法があります。直接施行は、法律に基づき厳格に行う必要があり、様々な問題が想定されますが、直接施行に関しての専門スタッフを有し、数多くの経験と実績があります。
土地利用の高密度化、効率化が進むにつれ、公共事業の施行に起因して近隣地域住民への生活環境や建物、農作物等に対する様々な間接的損失(損害)が発生しています。また、これらの損失は増加傾向にあり、迅速且つ的確な対応が要求されています。
弊社は、豊富な経験と実績により、事業による近隣への影響調査(日照阻害による影響調査・電波受信障害・水枯渇・地盤沈下・騒音・工事振動等)および損失の費用負担額算定や補償説明まで様々な要望にお応えします
一般的に土地、建物等を公共事業により取得するには、公共事業の施行者と土地、建物等の所有者等による合意のうえ補償契約が行われています。しかし、補償金額の承諾が得られない、その他の理由で話し合いがまとまらない場合があります。このような場合、公共事業の施行者は、土地収用法に基づき収用委員会に対して、収用の裁決を求めることができ、収用委員会は審理等を経て補償金額等の裁決を行います。このような制度を「土地収用制度」といいます。近年、事業用地の取得率が80%となった時、または用地幅杭の打設から3年を経た時のいずれか早い時期までに、土地収用制度の積極的活用の方針が示されています。
弊社は、事業認定から収用裁決、明渡裁決申請等に至る各種業務をサポートします。
不動産の鑑定評価及び土地評価は、いずれも不動産の適正な価格を求める業務です。両者の違いとして、土地評価は、公共用地の取得に係る適正な価格を主に取引事例を基に、規程の比準表(物指し)により価格形成要因の比較を行なって算定して求める補償コンサルタント業に属するのに対し、鑑定評価は、評価する対象が土地に限らず不動産全般を対象とし、目的も売買・補償に限らず、交換、担保、資産評価、争訟、課税など幅広く、価格形成要因の比較も不動産鑑定士が判断する業務です。
弊社は、不動産鑑定士がどのような不動産でも評価します。
公共事業等における用地取得のために必要な権利調査(所有権・賃借権・地上権・地役権等々)を行い、場合により戸籍調査も実施した上で被補償者を特定します。
また、用地測量においては、管轄登記所に備え付けてある地図及び地積測量図の転写を行なうと伴に、関係機関から資料収集を行い復元測量を実施した上で、公共物管理者を含めた権利者との境界立会いを実施し、境界確認を受けた後、境界測量により用地実測図等を作成し用地取得面積を算出します。
公共用地交渉に当たっては、基礎となる最新情報を確実に確認することになるため、関係権利者の特定、補償額算定書の照合、公共用地交渉用資料の作成を確実に行います。必要な対象土地によっては、土地評価、建物等物件補償、営業補償に関する説明を行うことになるため多くの部門の技術力が求められます。
当社では、専門の補償業務管理士及び行政経験者が公共用地交渉の実施方針を策定し、調書の説明確認、補償内容等の説明、損失補償協議書の交付説明、補償契約書の説明承諾の手順により、権利者に誠意ある対応をもって実施します。
公共事業を効率的に実施するためには、事業期間に占めるウェイトが高い用地取得期間の短縮が不可欠であり、用地取得をできるだけ円滑化・迅速化することが強く求められています。
国土交通省では用地取得マネジメントを策定しており、当社では対応した事業管理支援ツールである「用地取得マネジメント支援システム」を開発しており、確実な用地アセスメント調査(第1・第2)により用地リスクを把握して、用地リスク特定調査票、用地リスク配置図、用地リスク工程表、工程管理計画書(原表)、工程管理計画書(管理用)を作成することができ、用地リスクの変化にも瞬時に対応できます。用地取得工程管理計画を策定して用地取得をマネジメントを実現します。
主な事業実績
| 都道府県 | 茨城県 |
|---|---|
| 発注者 | 国土交通省 関東地方整備局 〇〇河川国道事務所 |
| プロジェクト名 | 〇〇遊水地補償説明等業務 |
| 実施期間 | 2023/04-2024/03 |
| プロジェクト内容 |
「〇〇緊急治水対策プロジェクト」における〇〇遊水地に必要となる土地等の取得等に伴い、権利者に対する補償説明を行った。当該地の大半は農耕地となっており、現在進行形で農業を営む方が多く見受けられ、土地の買収だけではなく、地役権の容認(普段は農地として利用し、災害時に遊水地としての利用を容認するもの)の契約に関する説明の必要もあり、災害時には下流のために農地が犠牲となるといった事業や補償に対する不満を持たれる方も多くいる中で、現地の方々の心情も考慮しながら慎重に説明を行う必要がありました。また、公図上と実際の使用する土地の形が大きく異なる部分や、農業委員会への届け出と異なる耕作人が土地を使用しているなど、土地が問題なく買収できる状況にあるか、権利者が補償説明を行える状況にあるかどうかの情報精査も重要となりました。 |
| 当社の役割 | 補償説明、土地情報の精査作業 |
| 都道府県 | 愛知県 |
|---|---|
| 発注者 | 〇〇建設事務所 |
| プロジェクト名 | 事業損失防止調査業務委託 |
| 実施期間 | 2023/4 ― 2023/12 |
| プロジェクト内容 |
〇〇大橋(仮称)架橋工事の施行に起因する地盤変動により生じた建物等の損害等の有無を把握するため、工事完了後に沿道の建物等について事後調査を実施し、工事との因果関係の検討を行い、費用負担額の算定を行う事を目的とした業務である。木造建物、非木造建物、附帯工作物、因果関係調書の作成を実施した。事後調査は事前調査資料との対比調査、建物所有者等から被害の申し出箇所の確認調査及び新規損傷箇所の調査を行い、事前から変化のあった損傷箇所について、工事に起因する損傷か経年劣化によるものか否かを『費用負担要否判定書』で判定し、発注者と協議の上、「受忍の限度を超える損傷」について費用負担額の算定を行った。 |
| 当社の役割 | 事業損失事後調査、因果関係の検討、費用負担額の算定 |
| 都道府県 | 静岡県 |
|---|---|
| 発注者 | 国土交通省〇〇河川国道事務所 |
| プロジェクト名 | 令和4年度 〇〇川改修補償説明業務 |
| 実施期間 | 2022/04/ - 2023/03/ |
| プロジェクト内容 |
〇〇川改修事業のため、法定相続90人の多数相続が発生している土地について、早期の用地取得を目的として実施した。本家筋の相続人との協議により、多数の相続人が生じている状況から遺産分割協議によるとりまとめではなく、法定相続持ち分による個別契約として方向性を定め、北は北海道から南は九州までに居住する権利者に対して、個別訪問により補償説明を行い事業へのご協力を得た。 補償説明の実施にあたっては、対象権利者へ協力依頼案内文を送付し、連絡票の返信をもとに電話で面会日程を調整しました。補償説明は、対面で同意いただいた75名と電話説明を希望された10名に対し、事業概要や取得対象土地、相続関係図を用いて分かりやすく説明した。 遠隔地(北海道・九州など)は専属班で対応し、最終的に85名の相続人から事業協力を得ることができました。 |
| 当社の役割 | 多数の法定相続人に対する補償内容説明と契約補助 |
| 都道府県 | 兵庫県 |
|---|---|
| 発注者 | 〇〇交通局 |
| プロジェクト名 | 「〇〇駅美装化・リニューアル事業」駅ビルテナント移転補償算定業務 |
| 実施期間 | 2021/7/ ― 2022/12/ |
| プロジェクト内容 |
都市ブランドの向上と人口誘引につなげるプロジェクトとして「リノベーション・〇〇」を掲げ、その一環として〇〇エリアを「躍動する多世代共生のまち」として活性化させていく「活性化プラン」としている。本プランのもと、駅利用者の利便性や快適性を向上させ、駅と周辺地域の活性化を実現するため、駅舎(駅ビル)の美装化やテナント再編等を行う「駅美装化・リニューアル事業」を推進している。 本業業務では、事業の施行に伴い、駅ビルで営業しているテナントに対して、テナントが移転する際に必要となる経費等について、公共用地の取得に伴う損失補償基準に準じた補償調査及び算定を行った。また、各テナントに算定した補償費の内容説明を行った。 各テナントからの事業や補償内容に対する質疑等に対して、真摯な対応をすることで全14社から移転への承諾を得て、事業の推進に寄与いたしました。 |
| 当社の役割 | テナントの補償調査算定、補償説明 |
| 都道府県 | 石川県 |
|---|---|
| 発注者 | 輪島市/一般社団法人日本補償コンサルタント復興支援協会 |
| プロジェクト名 | 被災家屋等解体撤去支援業務 |
| 実施期間 | 2024/6-2026 |
| プロジェクト内容 |
本業務は令和6年1月に発生した能登半島地震及び同年9月の奥能登豪雨で損壊した被災家屋等について、輪島市が建物所有者(被災者)に代わり、解体・撤去等を実施するために必要な業務支援を実施しました。 主な業務は、事務支援業務、現地調査(立会い等)業務です。事務支援業務は、申請者(被災者)から輪島市へ提出された申請書(約8000件)の受付の補助、申請種類の審査、事前立会調査の調整、解体業者への支払いチェック作業を幹事会社等と分担、協力して対応いたしました。現地調査業務は、事前立会い調査~完了立会いまでの業務を行いました。作業内容は、解体前に申請者(被災者)・調査会社・解体業者での三者立会い、現地調査・解体工事費の算定、解体工事完了後の完了立会いを対応しております。 |
| 当社の役割 | 事務支援業務の円滑化、現地調査業務 |
| 都道府県 | 宮崎県 |
|---|---|
| 発注者 | 国土交通省 〇〇河川国道事務所 |
| プロジェクト名 | 令和6年〇〇河川国道事務所管内用地調査点検等技術業務 |
| 実施期間 | 2024/10―2025/3 |
| プロジェクト内容 |
河川及び道路事業に必要な土地等の取得等及びこれに伴う損失の補償等に関する成果品の点検・調整確認及び関係資料等の作成を行った。主な業務は、調査書等の点検・調製確認、用地関係資料の作成及び記録簿作成に係る業務である。事業スケジュールに合わせ、迅速な業務遂行及び柔軟な対応並びに品質の確保等の為、それに対応できる作業実施体制、工程管理、安全管理及び行政情報流出防止対策をはじめとする情報管理等を十分に整え実施した。また、十分な事前協議等を行い、各工程内で業務が終えるよう各分野の有資格者・実務経験者を中心に業務を遂行し、バックアップ体制を含め、柔軟な作業体制で実施した。安全管理体制について、安全管理規定及び関係諸法規等により、安全管理責任者及び情報管理責任者等を配置し、事故トラブル等の完全回避及び電子情報等の管理体制の確保及び取り扱いを徹底・遵守して常に安全に留意し業務を遂行した。 |
| 当社の役割 | 補償金算定書等の点検調製、関係資料等の作成 |
| 都道府県 | 和歌山県 |
|---|---|
| 発注者 | 〇〇振興局 |
| プロジェクト名 | 令和3年度〇〇線交通安全施設等整備用地補償総合技術業務 |
| 実施期間 | 2021/11-2023/3 |
| プロジェクト内容 |
土地等の取得等に関する補償額算定書の照合及び公共用地交渉等を行い、用地取得の早期進捗を目的として実施した。補償額算定書の照合では、附帯工作物、非木造建物、営業補償、動産、移転雑費、移転工法を行った。公共用地交渉は区分所有建物の総数36権利者について、概況ヒアリング、関係権利者の特定、公共用地交渉用資料の作成等、調書の説明確認、損失補償協議書の説明、補償契約書の説明承諾及び関係機関との連絡・調整を実施した。権利者への個別用地交渉に当たっては、事前に管理組合及び管理会社と現敷地の分割・共用物の変更等の各種手続きの調整を行い、規約・定款変更に伴う総会を開催し、併せて事業計画についても丁寧な説明を実施した結果、必要権利者数の合意を得た。各権利者への個別交渉では、事業協力が得られるよう誠意をもった対応にて分かり易い言葉により説明を行うことで全36名全ての補償契約への合意を得られた。 |
| 当社の役割 | 関係権利者の特定、補償額算定書の照合、公共用地交渉用資料の作成、公共用地交渉(調書の説明確認、補償内容等の説明、損失補償協議書の交付説明、補償契約書の説明承諾)、区分所有建物の管理組合総会参加(規約・定款変更) |
| 都道府県 | 千葉県 |
|---|---|
| 発注者 | 国土交通省 〇〇国道事務所 |
| プロジェクト名 | R3用地アセスメント調査等業務 |
| 実施期間 | 2022/6-2023/3 |
| プロジェクト内容 |
一般国道〇〇道路に必要な用地の取得を円滑かつ迅速に推進するため、事業予定地の用地リスクに関する調査及び用地取得の工程管理計画の策定等を実施した。 主な業務は、①用地取得対象地に係る土地・建物の権利者確認調査と②第2用地アセスメント調査に分けられる。 このうち、第2用地アセスメント業務では用地取得の円滑な進捗を阻害することが想定される個別要因(用地リスク)の調査・把握を行うとともに用地取得工程管理計画の策定を行った。用地取得工程管理計画の策定にあたっては、用地取得完了の目標時期を超過するもの等については用地取得期間を短縮するための効率化策の導入の検討を行い、用地取得に要する期間を予測し用地取得工程管理計画書(管理用)を作成した。 |
| 当社の役割 | 弊社開発「用地取得マネジメント支援システム」を活用した用地アセスメント調査を実施し、用地リスク特定調査票、用地リスク配置図、用地リスク工程表、工程管理計画書(原表)、工程管理計画書(管理用)を作成した。用地リスクの把握を行うとともに用地取得工程管理計画を策定した。 |
| 都道府県 | 愛知県 |
|---|---|
| 発注者 | 〇〇土地区画整理組合 |
| プロジェクト名 | 令和6年度補償調査積算業務委託/令和6年度補償契約管理業務委託 |
| 実施期間 | 2024/4-2025/3 |
| プロジェクト内容 |
土地区画整理事業におけるインフラ整備、道路築造、宅地整備等に支障となる建物等の移転費算出の為の調査を実施し、正当な補償費の算定を行うことにより、円滑に物件移転を進めて事業の進行を図った業務であった。「調査積算」として、木造建物、非木造建物、附帯工作物、居住者、動産調査、営業調査、消費税調査、移転雑費、独立工作物・機械設備の見積取得、仮営業所設置(賃貸),仮住居等を実施した。建物等の工法検討では、移転先となる仮換地にて従前と同等の機能回復が図れるよう、有形的、機能的、法制的、経済的検討を行い、最も合理的な移転工法で補償額を算定した。補償交渉では被補償者に対して対象物件の内容説明を行い、移転補償契約の合意形成に向けて実施し特に生活保護者及び高齢借家人について誠意ある対応とした。補償管理では隔週の補償部会及び理事会において補償交渉進捗、移転履行状況等を報告し、事業工程調整を確実に行った。 |
| 当社の役割 | 土地区画整理事業における補償調査・補償管理(事務支援、補償計画、補償管理、建物等補償調査算定、補償交渉・契約補助、移転履行状況確認) |