道路橋梁
都市の基盤を支える道路・橋梁インフラの計画・設計・施工・維持管理に至るまで、総合的な技術支援を行っています。新設構造物の設計では、構造力学に基づく解析や耐震性能評価を通じて、安全性と経済性を両立した設計を実現。既存インフラに対しては、点検・診断・補修設計を通じて長寿命化を図り、持続可能な都市空間の形成に貢献しています。また、BIM/CIM、3Dスキャン、ドローン等の先端技術を活用し、効率的かつ高精度な業務遂行を推進。地域特性や社会的ニーズに応じた最適解を提供することで、安心・安全な交通環境の創出に寄与しています。
主要幹線道路の橋梁更新事業では、老朽化した橋梁の健全性評価から補修・架け替え設計までを一貫して担当。耐震補強設計においては、最新の動的解析手法を用いて構造安全性を確保し、施工段階ではCIMモデルを活用した施工支援により、工期短縮と品質向上を実現しました。 安全性・経済性・環境性を総合的に評価し、持続可能な都市空間の形成に貢献しています。
主な技術サービス
近年、全国各地で老朽化が進む橋梁の維持管理は、地域の安全・安心を守る上で喫緊の社会的課題となっています。高度経済成長期に集中的に整備されたインフラが更新期を迎える中、限られた財源と人材で効率的かつ持続可能な管理体制を構築することが求められています。 こうした課題に対し、地域特性(地形・地質・気候・風土)を踏まえた技術的サービスを提供し、橋梁の長寿命化と安全性向上を目指しています。
①橋梁点検・診断・補修設計の高度化
経験と技術を活かした点検・診断に加えAIやICTを活用した効率的なデータ収集・分析により、損傷の早期発見と適切な補修計画の策定を支援します。
②インフラマネジメントの導入
橋梁を含む道路施設の状態を一元的に管理し、予防保全型の維持管理へと転換。長寿命化計画の策定を通じてライフサイクルコストの最適化を図ります。
③地域に密着した技術提案
街路から山岳道路まで地域の風土や生活環境に応じた設計・補修・耐震対策を実施。住民の暮らしに寄り添った安全・安心な橋づくりを推進します。
私たちは、橋梁を「もっとも身近な構造物」と捉え、地域の未来を支えるインフラとして、技術と誠意をもって維持管理に取り組んでいます。
地震に対する橋梁の安全性を確保するため、構造形式に応じた最適な補強工法を提案・設計しています。鋼橋・コンクリート橋を問わず、静的解析及び動的解析による性能評価を行い、国土交通省の技術資料を考慮した基礎をモデル化し評価するなどの先進技術を用いた補強設計を実施しています。
また、施工性や経済性を考慮した複数案の比較検討を行い、顧客のニーズに応じた最適解を導き出します。設計成果物には、詳細な施工図面、照査資料、比較表等、確実な施工につながる設計を提供しています。
■私たちの具体的な提案①補強対象と工法の選定
対象橋梁の構造形式(例:鋼鈑桁橋、鋼上路式アーチ橋、PC箱桁橋、鋼製橋脚など)に応じて、補強工法を選定。
補強工法例:RC巻立て工法/鋼板巻立て工法/マイクロパイル工法/免振支承への取替え/ダンパー補強工法/当て板補強工法など
② 動的解析と設計 3次元モデルによる動的解析により、耐震性能の評価と補強効果の検証を実施。照査項目には支承部、橋脚、橋台、基礎などが含まれ、必要に応じて補強設計を実施。
③ 設計成果物現在、建設業界では少子高齢化に伴う技術者・作業員の不足が深刻な社会的課題となっています。特に建設業界では、熟練技術者の退職により、設計・施工・維持管理の現場で技術継承が困難になりつつあります。この課題に対して 点群データとCIMを融合した技術活用により、業務の効率化・高度化・省力化を実現しています。
■私たちの技術的な取り組みと提案内容①点群データによる高精度な現況把握
地上型レーザースキャナーやUAVによる3次元測量を活用し、従来の手法では困難だった複雑な地形や構造物の詳細な把握を可能に。
これにより、現地踏査や起工測量の省力化を図ります。
②CIMモデルとの統合による設計の可視化と自動化
点群データとCIMモデルを重ね合わせることで、設計の整合性を高め、干渉チェックを効率的に実施。
若手技術者でも設計意図を理解できる環境を整備しています。
また、CIMモデルに設計思想や施工履歴を属性情報として記録し、蓄積と継承を支援します。
③施工計画の高度化と合意形成の支援
3Dモデルを活用した施工ステップの可視化により、発注者・住民・関係機関との合意形成を円滑に。
VRやAR技術との連携も進め、説明資料の質と説得力を向上させています。
近年、台風・豪雨・地震などの自然災害が激甚化・頻発化しており、地域のインフラに甚大な被害をもたらしています。橋梁や道路の損傷は、交通の寸断や二次災害のリスクを高め、地域住民の生活や経済活動に深刻な影響を及ぼします。こうした社会的課題に対し、社内の技術・人材・情報資源を最大限に活用し、迅速かつ的確な災害対応を実施しています。
①災害発生直後の緊急点検・応急対応
社内の技術者ネットワークを活かし、災害発生後すぐに現地へ赴き、橋梁や道路の損傷状況を迅速に把握。
応急措置の提案・実施により、二次災害の防止と早期復旧を支援します。
また、過去の災害対応事例をもとに、災害要因及び現地特性に適した恒久対策工法を立案し、迅速な意思決定と現場対応を可能にしています。
②防災対策としての電線地中化
地震や台風などの自然災害に備えた都市インフラの強化として電線共同溝設計を実施します。
これにより、災害時の電柱倒壊リスクを低減し、復旧の迅速化を図るとともに、都市景観の向上にも寄与します。
私たちは、「災害に強い社会インフラ」の実現に向けて、技術と行動力をもって地域の安全・安心を守り続けます。
人口減少や都市機能の空洞化が進む中、地域活性化は日本社会全体にとって重要な課題です。特に交通利便性や公共空間の魅力向上は、住民の定着や経済活動の促進に直結します。こうした課題に対し、都市開発コンサルタント事業本部と連携し、駅前広場やアクセス道路の計画・設計を通じて、地域の魅力と機能の向上に取り組んでいます。
①駅前広場の再整備による都市の顔づくり
駅前空間を単なる交通結節点ではなく、地域の交流・発信拠点として再構築。
歩行者動線やバリアフリー設計、景観・緑化計画を取り入れ、誰もが快適に利用できる空間を創出します
②アクセス道路の計画・設計による回遊性の向上
駅から商業施設・公共施設・住宅地へのアクセス性を高める道路整備を実施。
交通量や安全性を考慮した設計により、地域内の移動をスムーズにし、生活利便性を向上させます。
③地域特性を活かした空間デザイン
地域の歴史・文化・自然環境を反映したデザイン提案により、住民の誇りと愛着を育む空間づくりを目指します。
私たちは、インフラ整備を通じて「人が集い、暮らし、育つまちづくり」に貢献し、地域の未来を支えるパートナーとして歩み続けます。
当社は、地域の暮らしと経済を支える「道路」の設計を通じて、安全で快適な社会インフラの構築に貢献しています。道路は単なる移動の手段ではなく、人と人、地域と地域をつなぐ重要なライフラインです。 私たちは交通量や地形、環境への影響などを多角的に分析・調査し、安全性や景観、将来の維持管理まで見据えた計画、設計を行うことで、地域に長く愛され、未来へとつながる「道路」づくりを目指しています。
①地域に愛される道路設計
交通量や現地条件、自然環境や既存インフラ等との調和を図った計画の立案を実施し、車両だけではなく歩行者等すべての利用者の安全性を考慮した計画を行います。
②維持管理を見据えた設計
道路構造物ついて長期的な耐久性と管理・保守性を考慮した設計を実施します。
道路についても将来的な交通量増加や新たなモビリティに対応可能な柔軟な計画を提案します。
③地域との対話と合意形成
設計時にBIM/CIM等の3次元成果を活用しながら分かりやすい資料作成を行い、利用者(地方自治体や住民)との丁寧な対話を通じて、ニーズに合った設計を行います。
主な事業実績
| 都道府県 | 長野県 |
|---|---|
| 発注者 | 中部地方整備局 |
| プロジェクト名 | 令和元年度 権兵衛峠道路災害復旧設計業務 |
| 実施期間 | 2019-2021 |
| プロジェクト内容 |
本業務は、台風19号の影響により通行止めとなった国道361号権兵衛峠道路(権兵衛2号橋)の災害復旧事業として、現道交通の早期復旧を目的に実施しました。現地測量をはじめ、仮復旧設計および本復旧設計を行い、仮復旧後は現道の安全性を確認するためのモニタリングも実施しました。 権兵衛峠道路は、上伊那地域と木曽地方を結ぶ重要な幹線であり、復旧の緊急性が高く、急峻な地形による高い技術的難易度が伴いました。このため、長野県の要請を受け、中部地方整備局が直轄権限代行により対応しました。 また、災害復旧にあたり、「国道361号権兵衛峠道路災害復旧技術検討委員会」が設置され、当業務では委員会資料の作成を担当しました。 |
| 当社の役割 | 崩壊箇所の測量調査・湧水調査報告、各種設計業務(一般構造物詳細設計、水抜き横ボーリング工詳細設計、橋梁復元設計、橋台補強工・フーチング拡幅詳細設計、落橋防止システム復旧設計等)、委員会資料及び広報資料作成 |
| 都道府県 | 沖縄県 |
|---|---|
| 発注者 | 宜野湾市 |
| プロジェクト名 | |
| 実施期間 | 2019-2024 |
| プロジェクト内容 |
本業務では、西普天間住宅地区内の枯れ谷(イシジャー緑地)に架橋される道路橋について橋梁詳細設計を実施した。 上部工については、地域の重要な自然資源であるイシジャー緑地への影響を回避するため、バスケットハンドル型ニールセンローゼ橋を採用、動的解析により部材断面を決定した。また、耐久性向上のためアーチリブは全断面溶接接合としたが、環境保全の観点からベント設備設置が不可能であったため、空中で安全かつ確実な溶接作業が可能なケーブルエレクションPCT架設工法を採用した。 下部工については、躯体規模より逆T型橋台形式とし、基礎工については、中間層の琉球石灰岩層及び非常に堅硬な支持地盤である島尻泥岩層への貫入を行うため、地盤追従性の高い全周回転式・場所打ち杭基礎を採用した。 景観設計ではBIM/CIMを活用し、橋梁や周辺施設・地形を3Dモデル化して環境と調和する橋体の形状や色彩、修景材を検証した。 |
| 当社の役割 | 橋梁形式比較検討、橋梁予備設計、橋梁詳細設計、付帯工および仮設工詳細設計、景観設計、設計・施工監理、各種委員会対応 |
| 都道府県 | 長崎県 |
|---|---|
| 発注者 | 長崎県大村市 |
| プロジェクト名 | 新大村駅周辺駅前広場等設計業務委託 |
| 実施期間 | 2019-2021 |
| プロジェクト内容 |
本業務では、新幹線新大村駅および駅周辺整備において、既存計画や過去の調査・設計成果を踏まえた景観コンセプトの設定を行いました。設定されたコンセプトに基づき、過年度成果との整合に配慮しながら、東西駅前広場の実施設計、用地測量、地質調査を実施しました。 また、駅前広場の景観コンセプト設定に向けて、協議会資料の作成など開催支援を行いました。実施設計では、関係機関との協議を踏まえた平面レイアウトの修正を行い、工事に必要な図面・数量を作成しました。 さらに、景観コンセプトに基づき、バスシェルター、ガレリア、トイレ、駐輪場などのストリートファニチャーや舗装・照明・植栽の計画・比較検討を行い、工事に必要な図面・数量を取りまとめました。 |
| 当社の役割 | 駅前広場実施設計、シェルター、ガレリアの建築設計、景観設計、用地測量、地質調査 |
| 都道府県 | 山梨県 |
|---|---|
| 発注者 | 中北建設事務所 |
| プロジェクト名 | 令和6年度 (主)甲府南アルプス線電線共同溝設計業務委託(2期) |
| 実施期間 | 2024~2025 |
| プロジェクト内容 |
本業務では、主要地方道甲府南アルプス線において、電線類の地中化を目的とした電線共同溝の詳細設計、自転車通行空間の確保を目的とした道路詳細設計、ならびに整備計画書の作成を実施しました。 対象区間は1期~3期に分かれており、各期の整備状況を踏まえ、隣接区間との整合を図りながら2期区間の未設計箇所について計画を行いました。設計にあたっては、参画事業者からの配線要望を確認し、全体調整会議や個別調整を通じて合意形成を図りました。 |
| 当社の役割 | 道路詳細設計、電線共同溝詳細設計、整備計画書作成、関係機関協議 |
| 都道府県 | 愛知県 |
|---|---|
| 発注者 | 尾張建設事務所 |
| プロジェクト名 | 令和5年度 道路改良工事(交付金)の内設計業務委託 |
| 実施期間 | 2024-2025 |
| プロジェクト内容 |
本業務では、過年度の予備設計を踏まえ、主要地方道瀬戸設楽線の道路詳細設計を実施しました。併せて、現地状況や関係機関との協議を踏まえ、過年度に設計された側道(市道春雨3号線)の修正設計も行いました。 瀬戸設楽線は幅員25.0~28.0mの完成4車線の幹線道路ですが、設計対象区間は暫定2車線で供用されているため、本設計も暫定2車線で計画しました。 設計にあたっては、主要地方道瀬戸設楽線、市道春雨3号線(側道)、市道春雨線(交差点従道路)の整合性を確保し、整備後のイメージを視覚的に把握するためCIMモデルを作成。さらに、点群データを活用して現況地形の精度向上、地物との干渉チェック、寸法・離隔の確認を行い、設計の精度向上を図りました。 |
| 当社の役割 | 道路詳細設計、関係機関協議 |
主要地方道瀬戸設楽線及び平行して計画した市道春雨3号線(側道)の高さが異なるため、3次元モデルとすることで整備後のイメージが分かりやすく共有できる。
| 都道府県 | 愛知県 |
|---|---|
| 発注者 | 豊田市 都市整備部 都市整備課 |
| プロジェクト名 | 豊田市駅東口ペデストリアンデッキ詳細設計等業務委託 |
| 実施期間 | 2023-2024 |
| プロジェクト内容 |
豊田市都心環境計画に基づき豊田市駅周辺の都市施設整備による利便性及び快適性の向上、利用者の安全・安心の確保を図ることを目的に、豊田市駅東口の既存ペデストリアンデッキを再整備するための橋梁設計を実施しました。 橋梁設計においては、交通弱者を含む利用者の安全性・利便性を踏まえ、デッキ通路部やデッキ下施設の歩行者導線を検討のうえ、昇降施設(エレベーター・エスカレーター・階段)及びデッキ柱等の配置を決定しました。また、ペデストリアンデッキ上から豊田市街の良好な景観をのぞめるよう、駅周辺の既存建築物や計画道路を3Dモデルで詳細に再現し、ペデストリアンデッキ完成後のイメージ確認を行いながら橋梁計画に反映しました。 その他、豊田市駅東口の既存ペデストリアンデッキ撤去設計も合わせて実施しました。 |
| 当社の役割 | 豊田市駅東口のペデストリアンデッキ詳細設計、東口大屋根新築基本設計 バス停留所詳細設計、施工計画、概算工事費作成、関係機関協議資料作成、3Dモデル作成 |