世界をつなげ! ~日本工営グループの鉄道コンサルティング事業~

(当社広報誌「こうえい」2014年 冬号より)

日本工営が手掛ける鉄道事業(エンジニアリングサービスのみ、調査業務は除く)
新興国における慢性的な交通渋滞

近年世界の鉄道ビジネスは大きな脚光を浴びています。

鉄道はCO2削減と持続的経済活動を両立させるためのインフラです。1トンの荷物を1km運ぶ際のCO2排出量(CO2排出原単位)は、自家用トラックの960g-CO2/トンキロに比べ、鉄道は21g-CO2/トンキロとわずか2%あまりです。また、新興国の都市人口は爆発的に増加しており、排気ガスによる大気汚染や慢性的な渋滞の解消、その一方で物流ニーズへの対応が迫られており、鉄道に注目が集まっています。

日本工営は1990年代後半から鉄道事業への本格的な挑戦を始めました。

2001年10月に部員7名で設立された鉄道技術部は実績を重ねるとともに規模を拡大し、2011年7月に鉄道事業部へと昇格、現在では海外事業における主要分野にまで成長しました。2013年までに地下鉄も含め、約4,200km、およそアメリカ横断(ロサンゼルス~ニューヨーク)に相当する距離のエンジニアリングサービスを提供してきました。

ホーチミン市都市鉄道1号線計画図
オペラハウス地下駅完成予定図

都市鉄道分野の最初の大型案件は2008年に共同企業体(JV)リーダーとして受注したベトナム国ホーチミン市都市鉄道1号線建設事業でした。ホーチミン市は約800万人の人口を抱えるベトナム最大の都市であり、深刻な渋滞の緩和、大気汚染改善のため、都市鉄道の建設は最重要案件の一つとなっています。ホーチミン市では2020年までに6路線の建設が計画されていますが、当社はその第1号線のコンサルティング業務を実施しています。ホーチミン市中心部のBen Thanh(ベンタイン)から観光名所でもあるオペラハウスを経て市北東部に位置するSuoi Tien(スオイティエン)に延びる総延長19.7km(地下鉄および高架鉄道)の路線で、現在は建設工事段階にあり、当社は施工監理を行っています。

カイロ地下鉄4号線整備計画図

エジプトのカイロ都市圏でもバスや鉄道など公共交通の輸送能力が限界に達しています。用地不足によって道路網の拡大も困難な状況にあるため、地下鉄の整備が進められています。ナイル川の下にトンネルを掘って地下鉄を通す計画ですが、それ以外にも地下に張り巡らされた水道管網や電線網への配慮、さらに古代・中世の遺跡に遭遇する可能性を踏まえたプランが必要でした。狭い場所での施工を可能とする工法を提案し、設計業務を受注しました。本路線が完成すれば、ピラミッド公園駅やエジプト大博物館駅が出来、地元の人々のみならず世界中からの観光客も利用する路線となります。

また、都市鉄道だけでなく、長距離鉄道も手掛けています。 インド貨物専用鉄道建設計画は総延長2,800kmにわたる巨大プロジェクトです。当社は東西回廊全区間の事業化可能性調査を実施し、現在、首都デリーと重要な国際港を持つインド最大の都市ムンバイを結ぶ約1,350kmの西回廊の基本設計を行っています。モンゴルでも、石炭埋蔵量が世界最大級と言われるタバントルゴイ炭田で産出される石炭を輸送するための総計1,600kmに及ぶ貨物鉄道建設プロジェクトに係る設計業務を実施中です。本プロジェクトの様子は本年1月12日にNHK総合「海外ネットワーク」でも放映されました。

インド貨物専用鉄道建設計画図

鉄道プロジェクトは実施期間が長く、計画段階から完成まで最低20年かかるとも言われ、専門分野が多岐にわたり、土木技術だけでなく、電気・通信技術など多くの専門家を必要とします。また、日本と同様に鉄道路線が造られれば駅前や地下街の開発、沿線の開発ニーズが生まれてきます。日本工営の総合力と海外で長年培ってきた経験に加え、地下トンネルに強い日本シビックコンサルタント、まちづくりに強い玉野総合コンサルタント、多くの鉄道専門家を擁するNIPPON KOEI INDIA や中南米で鉄道事業を推進する中南米工営などの現地法人とグループシナジーを発揮することにより、今後も鉄道事業を積極的に展開し、受注拡大を目指していきます

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