物流ネットワークを考慮した物流拠点等のインフラ整備計画手法 広域物流計画による経済ロス減少
公開:
更新:
NEW
NEEDS
物流効率の悪化を改善
経済成長著しい開発途上国ですが、本来のポテンシャルどおりに成長している国は、ほとんど見当たりません。その理由のひとつは、物流効率が悪いことにあります。港湾の狭さ、激しい渋滞、非効率な輸送方法など、検討すべき課題にあふれている状況といえるでしょう。
中でも国際港湾は、輸出入と国内輸送ともに物流の要ともいえる場所です。そのため、各国政府は、既存港湾を補完する新規港湾を隣接地に建設してきました。しかし、それでも貨物シフトに失敗する事例が後を絶ちません。
新しい港湾を整備する際には、増加および変化する物流量に合わせて、渋滞対策や内陸輸送の最適化を行う必要があります。また、後背地の利用方法なども含め、総合的かつ将来を見据えた物流計画を行うことで、ロスを大きく減少させることが可能です。
日本工営では、港湾、交通、鉄道など、それぞれのエキスパートを集めた物流計画推進室を設置。広い視野による総合的な計画から、その国や地域が持つ本来の成長力を実現するための計画立案を行なっています。
SOLUTION
物流効率の最適化の計画、提案、建設、運営のすべてが可能
新規港湾の建設にあたり、シミュレーションをする箇所は、多岐に及びます。港湾機能だけを見ても、コンテナの保管量や輸送導線の最適化は必要不可欠。ただ、港湾だけが高機能でも、ロスの解消はできません。
港湾と目的地を結ぶ物流においては、トラックを用いることが一般的ですが、渋滞は最も物流のロスが発生する要因となっています。効果的な交通計画の立案はもちろんのこと、トラックを一時退避させるための駐車場を整備するなど、総合的な視点から道路輸送の最適化を行ないます。
また、鉄道や内陸水運を効果的に用いることも、重要な検討課題。1回あたりの輸送量や輸送回数を、きめ細やかにシミュレーションすることで、増えゆく貨物量に応じた柔軟な物流を実現します。
これら、内陸輸送の手段をシミュレーションしていくと見えてくるものが後背地の可能性です。貨物の時間価値や地理情報をもとに、港湾ごとに後背地の広がりを詳細に把握すれば、内陸都市との連携を更に強化できます。
このように、複雑に関係し合う様々な要素をすべて考慮した、総合的な物流計画を立案することが、港湾を中心とした物流計画に求められています。日本工営では、計画前のシミュレーションから、実際の計画・提案・建設・運営まで、すべての業務をこれまで行なってきました。その国、その町の実情に即した計画を起点に、本来の成長力を取り戻すコンサルティングを行います。
POINT
物流効率の改善は環境課題の解決に直結する
一例として、日本工営が他の事業でも深く関係している、バングラデシュにおける港湾計画のシミュレーションを示します。
バングラデシュ南東部のチッタゴン港は、同国において最重要の国際港湾です。しかし、現在は90%以上の国際貨物を取り扱っており、コンテナ取扱量は港湾容量を上回っており、道路は慢性的な渋滞で、朝夕は特に激化します。現在、チッタゴン港を補完する港湾としてマタバリ港の建設が進められています。マタバリ港への貨物シフトが行われ、バングラデシュの物流の効率化を図るための物流インフラ整備についてシミュレーションをしています。同地はトラックによる陸上輸送が貨物輸送の大半を占めますが、鉄道も内陸水運も使えるため、鉄道の延伸等の物流インフラ整備に加え、鉄道や内陸水運のサイズや頻度も変更することで、どのように効率化できるかを何パターンもシミュレートしています。
チッタゴン港の場合は、貨物船が到着すると一気にトレーラーが集まってきて渋滞が引き起こされるため、トレーラーの待避所や港湾内の導線を追加で計画。市民交通やトレーラーの往来の効率化を実現しました。この検討のためには、車両を一台単位でシミュレーションするソフトを開発しています。
ロスの少ない物流は、地球にもやさしいことが大きな特徴となります。つまり、開発途上国でも排ガスや二酸化炭素の排出を低減できることは、経済効果に加えて社会課題の解決にもつながるものです。
私たち、日本工営では、物流コンサルティングの分野において、これまで蓄積した技術を顧客と地球に提供しています。