プロジェクト挑戦記最後のフロンティア サブサハラ・アフリカの持続的な成長へ貢献する
~ 当社グループのサブサハラ・アフリカ地域への取組み ~

(当社広報誌「こうえい」2013年 春号より)



サブサハラ・アフリカとはサハラ砂漠以南地域の呼称で49の国々が位置しています。世界で最も貧しい国と呼ばれる国々の半数以上がサブサハラ・アフリカにあり、そこに住む人々の約半分が1日1ドル25セント未満で暮らしているという深刻な貧困問題を抱えています。その一方で、2000年代初頭から10年間でGDPが約2.8倍に拡大するなど急速な経済成長を続けていることで、注目を集めている地域でもあります。

サブサハラ・アフリカは、南アフリカ共和国のプラチナ、ボツワナのダイヤモンドといった世界有数の豊富な天然資源の輸出と、その天然資源の開発や拡大する内需をめぐる外国からの投資の増加により経済成長を続けています。我が国からも500社を超える企業が、有望な消費市場として、また鉱物資源や天然ガス等の供給基地としての役割を期待し同地域に進出しています。

そのサブサハラ・アフリカのさらなる経済成長の懸念材料となっているのが、増大する物流活動に釣り合わない脆弱なインフラです。例えば、採掘した資源を港まで運ぶための国境を越えた広域交通ネットワークの整備の遅れや老朽化、通関手続きの煩雑さによる物流の低滞です。また人口増加による水不足や電力不足といった生活インフラにも問題を抱えています。アフリカでは今後10年間に電力、水道、物流、通信を中心に年間約930億ドルのインフラ投資を必要とし、特に電力分野にはその半分以上の投資が必要との調査報告もあります。

我が国においては、サブサハラ・アフリカが持続的な経済成長や貧困削減などを実現するため、アフリカ開発会議(TICAD)※を基軸とした支援を続けています。前回会議となるTICAD IV(2008年、横浜)では、インフラ整備を通じた「成長の加速化」などを重点事項としてアフリカ開発の方向性について議論が行われ、同会議で策定された横浜行動計画において道路および港湾を含む広域運輸インフラの整備と通関手続きの円滑化を進めることなどが謳われました。
我が国のサブサハラ・アフリカに対するODAは過去10年間で約3倍まで増加しており、2011年度の二国間ODAの総額は17.3億ドルにおよぶ規模の援助が行われています。

1984年6月、ケニアの首都ナイロビに「ナイロビ事務所」を開設
1984年6月、ケニアの首都ナイロビに「ナイロビ事務所」を開設

当社のアフリカでの事業は今から約50年前、奇しくもサブサハラ・アフリカのガーナから始まりました。1954年に当社が海外へと踏み出してから10年後の1964年、当時74歳の創業者・久保田豊が同国エンクルマ大統領と直接会談し成約にいたった「ガーナ国総合開発計画」が、第一号のプロジェクトです。その後1984年にアフリカ初の拠点となるナイロビ事務所を設立、アフリカ東部を中心に農業、水資源、電力、道路など各種インフラ開発支援事業を展開してきました。

中期経営計画において、当社グループはサブサハラ・アフリカを世界4大営業圏のひとつに位置づけ、昨年、子会社となるNKアフリカ(ボツワナ)、NKモザンビーク(モザンビーク)を設立し、現地企業との協力体制や現地人財の採用・育成を強化するなど、事業拡大に向けた基盤整備に注力しています。
当社グループは、中期的な経営の基本方針である「グローバル展開の強化」の実現に向けサブサハラ・アフリカ事業の拡大を図ると同時に、同地の継続的な発展、豊かさの実現に貢献してまいります。


ナイロビでは、経済発展や人口増加により進行するモータリゼーションに伴って日々、悪化している交通環境の改善が重要課題の一つとなっています。当社はケニアの首都ナイロビを対象としたマスタープラン策定を支援しています。
内陸で採掘した天然資源の広域輸送において、渡河部がボトルネックとなった大渋滞、国境地点での非効率な手続きの改善が課題となっています。当社はザンビアとボツワナの国境をまたぐカズングラ橋と国境管理施設の整備を支援しています。

TICAD:Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略で、アフリカの開発をテーマとする国際会議。1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)および世界銀行等と共同で開催。5年に1回の首脳級会合に加え、閣僚級会合等を開催しており、2008年5月には横浜で4回目となるTICAD IV(第4回アフリカ開発会議)を開催。2013年6月に横浜で5回目となるTICAD Vが開催予定。

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