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統合技術力による総合防災への取り組み
  〜「社会の防災力」向上に向けて〜
(当社広報誌「こうえい」2004年 春号より)

ハリケーンによる河川の氾濫

2003年9月、米国ノースカロライナ州の都市ニューベルンでは、
大型のハリケーン「イサベル」によって河川が氾濫し、車道は水浸しになりました。
相次ぐ異常気象、氾濫する河川、頻発する地震など世界各地で自然災害が猛威を振るっています。また、社会が高度化・複雑化するにつれ、自然災害の及ぼす影響も複合災害の様相を帯びてきました。日本は「防災先進国」としてその役割が国際的に期待されており、安全・安心社会の実現に向けた取り組みが活発化しています。今回は、当社が長年にわたり培ってきた「総合防災」技術についてご紹介します。

日本は、その位置や地形、地質や気象などの自然条件から、地震、台風や豪雨さらには火山噴火などによる災害が発生しやすい国土となっています。都市部では、宅地化が急速に進み、降雨が河川に流入する速度が早まり、水害が発生しやすい状況になっている一方で、過疎化や高齢化により災害の危険性が高まっている地域も増えています。

災害に対しては特効薬などはなく、単一の取り組みだけでは万全ではありません。必要とされる専門的な知識は、河川・地盤などの工学的なものから地球物理、医療保険さらには教育にまで及びます。また、防災の担い手には行政だけではなく、企業や個人と地域組織等多様な受け皿を必要としています。行政による「公助」と地域の連帯による「共助」に「自助」を加えた3つの仕組みをバランスよく組み合わせ、全体として「防災力」を高めていくことが必要とされています。

富士山ハザードマップ
当社は住民参加型の事業推進手法を取り入れながらハザードマップを作成。国や自治体による「総合防災計画」の策定を支援しています。

当社は、河川事業、砂防事業、地すべり対策事業などに多くの実績をあげており、これらのいわばハード系防災技術に加え、ソフト面での防災技術の開発も積極的に進めてきました。ダムや堤防などの防災に必要な構造物の整備が重要なことはいうまでもありませんが、堅牢(ハード)な施設対策のみでは限界があります。災害が発生した時、どのように早く情報を伝え避難を促すか、救助救命の体制はどのように確保するのか、物資の輸送はどうするかなど、被害の規模をあらかじめ想定したうえで対応や対策を事前に決めておく必要があります。

津波襲来シミュレーション
津波襲来シミュレーション

こういった問題に応えるために、当社は早くから災害情報のデータベース化、情報の提供技術や統合システムの開発をはじめ、洪水、地震、津波、土砂崩壊、延焼、建物倒壊などの被害を予測するシミュレータ(仮想/模擬実験装置)などを開発してきました。
ソフトとハードの技術を兼ねそなえた当社ならではの技術によって、災害の原因究明にはじまり、被害の予測などに基づく災害予防と防災教育を含む防災対策まで一貫したサービスの提供が可能になります。

日本は防災先進国を自認しており、国の中央防災会議が設置され、国連と連携をとりながら「Living with Risk」(世界防災白書)の作成や「国連防災世界会議」を来年1月に神戸で開催するなど、先導的な役割を世界に示しています。当社は、フィリピンのピナツボ火山災害対策事業やアルメニアの国土保全事業の実績もあり、国の内外の防災事業に関わり、これからも「防災力」の向上と世界の安全・安心社会の構築に貢献していきます。 ピナツボ大噴火

フィリピン国ルソン島のピナツボ大噴火による火山泥流。当社は緊急復旧事業に携っています。

■日本工営の総合防災の技術とサービス

1. 災害の原因究明

災害現場では、限られた時間や要員のもとで迅速な情報の収集や発信、それに基づく的確な判断が最大限の救援活動を生みだします。日本工営は、それらを可能とする支援システムや予知予測技術を駆使したシステムを提供しています。また、関係機関と連携し、地震・津波・台風・豪雨・土砂災害・火山噴火など自然災害発生の機構究明と被害予測の研究に取り組んでいます。

自然災害現象の理解
洪水と浸水
地震
土砂災害
火山活動
津波・高潮
火災・延焼
原因究明のための調査解析
都市型水害の原因究明
震源および地震動の解析
斜面崩壊・地すべりの機構究明
土石流の機構解明
火山活動の観測と機構究明
津波の被害予測

2. 災害の予防

自然災害の防災対策は、(1)危険要因を点検・監視すること、(2)ハザードマップや防災訓練などであらかじめ住民への周知を図ること、(3)家屋や構造物の被害を軽減することが基本になります。日本工営は、防災ハザードマップや防災訓練、防災事業支援システムの構築に取り組んでいます。

防災施設や危険個所の点検、観測
社会基盤施設の耐震設計
斜面災害の予防や被害軽減対策の立案
土石流の対策と保全施設の計画立案
火山活動の被害予測と地域防災計画立案
津波被害の予測と避難行動計画立案
津波・高潮のハザードマップ作成
延焼予測
災害予防

3. 防災の対策

安全で安心できる社会を形成するには、常日頃から住民や関係機関が協力して各種防災計画を作成し、その情報を共有しながら順次対策を進めることが必要です。日本工営は、住民参加型の「防災まちづくり」に取り組んでいます。
道路倒壊

災害に強い街づくり
街の防災性能を高めるために、防災街区や防災拠点、避難および情報システムの構築を支援しています。

防災計画づくり
地域社会として災害に備えるために、河川整備基本計画や地域防災計画などの計画づくりや防災訓練の計画・実施などを進めています。

防災教育の支援
自然災害への理解や対応を住民に説明するため、防災教育の教材づくりや展示、広報活動を支援しています。
防災教材



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